2025年5月6日火曜日

乾燥帯の授業 すべらない話

GWが終わり、明日から授業再開である。熱帯に続いて、乾燥帯(BW:砂漠気候・BS:ステップ気候)について語るのだが、すべらない話の続きを記しておこうと思う。乾燥帯も実に話題が多い。湿潤な日本とかけ離れているからだと思う。

砂漠というと日本では、漢字の影響もあって砂の砂漠を連想するが、実は礫砂漠や岩石砂漠のほうが多数派である。流石にアラビア語のサハラというのは広大な砂砂漠の意で、私はブルキナファソの北限、サヘルの村まで行った。サハラの砂は粒が細かすぎて、持ち帰ろうと密封したのだが、帰国後キャリーバックを開けると砂だらけになっていた。それほど細かい。礫砂漠や岩石砂漠は、アメリカのカリフォルニアからネヴァダ、アリゾナを旅したときイヤというほど見た。車を止めて喫煙していると、どこからともなくシェリフ(ポリスではない)の車が来て、サソリに注意という看板を指差し、ここは危険だぞと教えてくれた。(笑)ラスベガスに近い(といっても100kmくらい)GSでボンネットに手をついて火傷したこともある。

砂漠は、気温の日較差が年較差より大きい。サヘルで、ガイドのオマーンが宿泊費を間違え、蚊帳のかかったマットで野宿した際は、持っていた服を全部来て就寝した。夜はかなり冷える。ストロングな朝日が昇って暑くて飛び起きた。(笑)この辺は、日干しレンガで十分モスクが作れる。年に一度は泥で修復する必要があるらしいが…。

BWやBSでは、乾燥に強い羊やヤギが家畜の主流である。もっと乾燥に強い野良のラクダも見た。(笑)牛でも乾燥に強いのもいる。ちなみに、雄牛は何頭もいると喧嘩するので、早めに去勢して肉牛候補となる。京大の公開講座でアフリカで去勢に使われる木槌を見せてもらったことがある。(上記画像はマサイによる去勢)その他にもいろいろな方法があるらしいが…。ブルキナで羊とヤギの家畜市を見たが、耳がたれていたら羊、立っていたらヤギだ、ということをワガドゥグに戻ってから緑のサヘルというNGOの方に教えてもらった。

BWの年降水量は250mm以下と少ないのだが、突然の豪雨もしばしばあり、ワジという涸れ川を形成する。意外だが、砂漠での事故死は水死が最も多い。このワジに沿って隊商をしているところに鉄砲水が押し寄せてくるからである。

BWでは、基本農耕は不可能だが、外来河川やオアシス付近では可能で、私の大好物のデーツ(なつめやし)が名産品である。BSもアフリカなどでは、雨季前に種を撒き、メイズ(白いトウモロコシ)や雑穀(ミレットやソルガム)を作れる。ウクライナやアメリカのBS地域では灌漑による世界的農業地帯が形成されている。灌漑で失われたアラル海や、オガナラ帯水層とセンターピボットの話もする。最後は、前述(4月24日付ブログ参照)のニジェールの大山先生の快挙の話ででしめようかと思っている。

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