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https://globe.asahi.com/article/15341885 |
「無利子銀行」は、借りたい人とムダーラバ同様の関係を持ちつつ、元本が減ることを想定しない預金者ともムダーラバの関係を持つ。「無利子銀行」が黒字であれば、預金者の元本は保証されるという二重のムダーラバ関係を結び、成立しているわけである。
そもそも、この「無利子銀行」の構想は、1941年にパキスタンのマウドゥーディーが、ヨーロッパの利子を取る金貸しによって貧しいムスリムが苦しんでいることを憂い、利子のない社会の実現を訴えたのがきっかけである。1960年代になって、我がマレーシアで、メッカ巡礼に行きたい人のための「無利子銀行」タブン・ハッジ(上記の画像は現在の本社)が設立された。預金者は毎月少しずつ預金し巡礼資金を貯め、その預金をムダーラバで増やし、巡礼資金を増やす道を開いたのである。1970年代には、UAEのドバイ・イスラーム銀行が設立され、それまで銀行嫌いで、金などの貴金属に財産を変えていた信心深いムスリムが大挙して押し寄せた。
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ちなみに、2023年現在の「無利子銀行」の各国の比率は、サウジが75%、ブルネイが67%、クウェートが51%、マレーシアが31%、カタールが29%ほど。その他、バングラディシュ、ジブチ、UAE、パキスタン、ヨルダン、パレスチナ、オマーン、バーレーンなどが続く。
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