2025年5月21日水曜日

期末の学習範囲の精選

明日が地理総合の中間試験だが、期末の学習範囲を言語や宗教に決めた以上、ある程度の準備を進めておく必要がある。採点が始まるとできない。(笑)昨年度、この範囲は2学期の中間の範囲だった。記録を見ると授業時間数は10コマから9コマというところ。本年度の1学期の期末はそれより各クラス、2コマほど少ない。ここは、学習内容を精選するしかないわけだ。

今年度も、世界価値観調査の表(英語版)を使う。言語の授業の後、2コマ目はこの表の解説(プリントに調査のもとになったアンケート問題もいれてみた。)を軽くした後で、グループならびに各国名の和訳、さらに主要な宗教の調べ学習(上記画像はその一部)をしてもらう。昨年度、どんな質問がされるかも承知しているので、そこはすでに記入したりして少し容易にしておいた。そのうえで、宗教の比較の講義を行うのだが、順番も変えた。

昨年度は、カトリックと正教会、プロテスタント、一神教の対比という順番で講義した後、最後に世界活観調査の資料を4分割して講じた。これを、先に4分割してそれぞれ考察することにした。すると、一神教(特にイスラム)、正教会、プロテスタントという順になる。この方がわかりやすそうであるし、前述したバルト三国の話など逸話も挿入していく予定。今年度は、地理をベースに、世界史・日本史・政経・倫理といった社会科的な教材も挿入すると生徒に言ってあるので、岩倉使節団の話をプリントに入れた。「精選」とは、「省略」と同意語ではない。

岩倉使節団の最重要な点は、あまり仲の良くない大久保や木戸の両名が、欧米では教会が政府を支える権威となっていることに気づいた点だと思う。(生徒には、代表例としてカトリックがカール大帝の戴冠の話をして、この視点を理解してもらおうと思う。)正教会は、権威ではなく、二人三脚で政府を支えている場合が多い。ロシア正教では核兵器に祝福を与えるなどという話があるくらいである。さて、彼らは、キリスト教に代わる明治政府を支える権威を天皇制に求めた。それが軍人勅諭、教育勅語さらに、二人の間に立った後継者・伊藤博文の天皇主権の大日本帝国憲法へと昇華していくわけで、明治史の根幹に関わる問題だからである。こういう話は受験の日本史ではなかなかできないはずである。

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