2025年5月29日木曜日

「サコ学長、日本を語る」Ⅲ

https://sunrise-okayama.com/archives/11978
元京都精華大学学長のサコ氏の「サコ学長、日本を語る」書評、第3回目である。前回に引き続き、少年期の話から。グレンと呼ばれる少年から青年になる時の割礼の通過儀礼で同世代の男の子は同時に割礼を受けるのだが、1ヶ月くらい前から集団生活をして、儀式と伝統について教えられ、そのグループ(10~15人くらい)は一緒に成長し、絆を深めるらしい。現在では、割礼は行われていないようであるが、この文化は現代でも残っているとのこと。

割礼は、ユダヤ教では生後8日目に行われるが、イスラム教は少年期、ここでもイスラム教的な話であると私は感じる。しかも現在は行われていないというのは、中東やマレーシアでは考えにくい。アフリカ北部のイスラム教は少し他の地域と違うのかもしれない。

このグレンという集団は、秘密を共有し、ある意味人間性を育む場所、恋人と付き合う時も結婚の時もグレンの仲間に相談し、大人になっても続く帰属意識の強い組織である。見捨てるという習慣はなく、親以上に親身になり説教もするし、喧嘩もあるとのこと。だが、喧嘩しても尾を引かないそうだ。

私は、このサコ氏の話から、薩摩藩の郷中制度就中、二才のことを思わず想起した。かなり内容は異なるけれども、青年期の同世代の若者が切磋琢磨していくという点では共通点がある。

ちなみに、マリのグレンでは、迷惑をかけるのは当たり前である。日本の迷惑をかけない文化に対しては、サコ氏は、本音を言わない、真の誠実さにかけると感じているようで、大好きな日本であるが、これだけは譲りたくないと語っている。

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