2025年5月27日火曜日

「サコ学長、日本を語る」

学院の図書館で、「サコ学長、日本を語る」(ウスビ・サコ著/朝日新聞出版)を借りて通勤時に読んでいる。サコ学長とは元京都精華大学の学長(2018~2022年)で、マリ出身である。

京都精華大学には、M高校時代とPBT時代に教え子を送り出しているし、教員にブルキナファソでお世話になった荒熊さんがおられる関わりの深い大学である。

内容は、まずサコ氏のマリでの伝記的な話から始まる。これが実に衝撃的である。書評の詳細はは後日に譲りたいと思っているのだが、マリの基本情報を先に記しておきたい。

マリは、かなり複雑な多民族国家である。サコ氏は首都バマコ出身なので、バンバラ人であると思われる。マリというと砂漠を連想するが、バマコは外来河川・ニジェール川に沿ったサバナ気候区に属する。宗教的には、少なくとも実家は、イスラム教スンニー派のマーリク法学派であると考えられる。メディナ時代のスンナを重視する点で他の法学派と異なるという特徴があるようだ。サコ氏の少年時代は、一党独裁の時代でブルキナファソと紛争を抱えていたようだし、現在も北部でトゥアレグの独立紛争など政治的・治安的に脆弱な状況が続いている。

マリといえば、世界遺産のトンプクトゥーを思い浮かべるとともに、NYCの国連本部を案内してくれた女性職員が、フランス語圏なのにキレイな英語を話すマリの人だったことを思い出す。…つづく。

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