2020年5月20日水曜日

幕末維新の人物考1

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yoshinobu_portrait.html
司馬遼太郎の7冊を選んでいる時、ふと幕末維新の人物で、誰が最も影響を与えたか?最も大胆な動きをしたのは誰か?そして最も自分が好きな人物は誰か?などということを考えていた。今日はまず、最も影響を与えた人物について考察しようかと思う。

幕末維新の時代を見渡すと、およそ3つの時間軸で考えることができるように思う。これは完全に私論である。①ペリー来航から井伊直弼が打たれた桜田門外の変あたりまで。⓶幕府が大きく揺らぎ、長州が暴れ、第二次長州征伐=薩長同盟あたりまで。③小御所会議で、大政奉還の策が敗れ、戊辰戦争、薩長土肥の新政府成立まで。それぞれに最も影響を与えた人物を追ってみようと思う。

①では、私は裂公(徳川斉昭)かなと思う。御三家の中で尊王を家訓とし、水戸学を背景に、尊王に攘夷をくっつけた人物である。正室は有栖川家から。側室も多く、37人の子供を持ち、藩主や藩主の正室となった。大奥に最も嫌われた人物でもある。家来の藤田東湖らの力を得て、幕末の志士に多大な影響を与えた。彼がいなければ、桂小五郎も武市半平太も坂本龍馬も江藤新平も歴史に名をのことしたがどうか…。幕末の政治風土をつくったという点で功績は大きい。30歳まで部屋住みで水戸藩主になるまで時間がかかったことは、島津斉彬や井伊直弼、山内容堂らと同様で、面白い共通点である。
老中阿部正弘もそれまでの譜代による政治組織を破壊してしまったことも大きい。阿部が次点かなと思う。

⓶では、やはり西郷吉之助かと思う。長州は、かなりクレイジーで、吉田松陰門下は過激派そのものである。高杉晋作などはその最たる人物。だが、歴史を動かしたのは、その長州を活かした薩摩に軍配が上がる。その中心にあるのはやはり西郷である。西郷は清廉潔白な一面もあるし、月照と自殺しようとし生き残り、以後死に場所を求めていたような死人の一面もあるし、小御所会議では山内容堂を脅したり、倒幕を決意してからは江戸でもかなりの策謀をしている胆力もある。不思議な人だが、大人物であったことは間違いない。この時期の時点は多い。高杉晋作、坂本龍馬、中岡慎太郎、村田蔵六…。

③では、私は徳川慶喜を推す。水戸学に染まった慶喜が、たとえ偽物とはいえ、岩倉具視と大久保の策略・錦の御旗を見て、朝敵の汚名をきるべからず、戦うべからずと身を引いたことが凄い。様々な批判はあるが、彼が恭順したことで、日本は内戦の危機から脱し、英仏の代理戦争を回避できたことは間違いない。次点は、勝海舟、山岡鉄舟、大久保利通、岩倉具視といったところ。

トータルで最も影響を与えたのは誰か?私は、徳川慶喜だと思う。

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