2017年9月25日月曜日

NFL選手の抗議に賛同する

http://www.afpbb.com/articles/-/3144109?pid=19406290
政治家というのはプラトン以来、理性を備えた哲人が行うべきものだというのが欧米の伝統的思考だと私は感じている。米大統領の北朝鮮や韓国・中国の指導者への侮蔑的な発言は、アジアの礼を重んじる儒教的な背景を全く理解していない。日本の政治家なら、政治家の資質なしとの烙印を押されるはずだ。実際秘書への暴言・暴行で追い込まれた女性議員もマスコミを賑わせている。

大統領の思慮に欠ける黒人やヒスパニック、ムスリムへの差別的発言は、益々国内を分裂に導いている。ついに、NFLの選手達が立ち上がったようだ。国歌斉唱・国旗掲揚時に膝を突いて、その意思を示しているらしい。過去のオリンピックの表彰時に拳を突き上げた黒人選手は有名だが、アメリカで最も(野球以上に)人気のNFLの各チームで行われているところが凄い。おそらく、そのうちNBAにも伝播するだろうと思う。

アメリカでは、国歌・国旗は合衆国国民としてのアイデンティティそのものである。日本は単一民族で、しかも戦前の戦争でのイメージもあり、国歌・国旗については微妙な問題がある。これは単一民族故に国家統合の必要性がない故の、ある意味贅沢な論争であって、アメリカのような多民族国家では、”国民になるため”の必須の条件であると私は理解している。今回NFLの選手達の行動は、あたかも大統領選直後にカナダへの移住申請の膨大な問い合わせがあったのとほぼ同じであるといえよう。かの大統領の下で、アメリカ国民であることに逡巡している姿だと私には見える。

私は、彼らを「クソ野郎(直訳はあばずれの息子)」と呼ぶような非理性的で非哲人的な人物に、北朝鮮問題で日本が生殺与奪を握られていると思うと、悔しくてならないのだが…。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51160

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