2015年10月29日木曜日

朝日 メルケル首相 揺らぐ足元

http://blog.goo.ne.jp/from_syria/e/5d1e39cd57d81f29d3942363afb93c2c
久しぶりにモーニングで朝日新聞を読んでいたら、メルケル・ドイツ首相の記事が出ていた。現在、メルケル氏の支持率が急落しているらしい。

10月も半ばになって、ベルリン市内の難民登録センター周辺は、順番を待つ数百人でごった返していた。基本6℃。氷雨の下多くが傘を持たずに寒さに震えていた。「赤ん坊が熱を出しそうだ。丸一日待っているが、限界だ。」シリア東部から戦禍を逃れてきた数学教師は怒りをあらわにした。9月だけで30万人が入国した。政府は今年度80万人が難民申請すると予測している。だが、現場では混乱が広がっている。職員約150人がフル回転で対応にあたるが、空前の申請数に全く追いつかず、難民の多くが施設周辺で夜明かしする事態に。9月下旬には、失望したイラク人男性が上層部から飛び降り自殺を図ろうとして大騒ぎになった。

受け入れを担う地方政府は「こんな事態に対応できる社会はありえない。」(バイエルン州首相)と反発。メルケル氏の与党キリスト教民主同盟の支持率は低下し、地方政府の与党代表も難民支援を批判しだした。9月の世論調査では、難民急増を「驚異に感じる」と答えた人は51%、「そう思わない」の47%を上回った。首相の支持率も54%で前月より9ポイント減。この4年間で最低になった。だが、批判の高まりにも「スイッチを急に切り替えれない」と述べている。

ところで、昨日一昨日とエントリーしている「大世界史」には、ドイツの章がある。佐藤優によると、WWⅡの敗戦時、ソ連は、(例の地政学的発想で緩衝地帯をつくるため)ドイツに無条件降伏を求めなかった。東ドイツは社会主義化されるが、複数政党制にしてナチ党も国民民主党という名前で生き残らせた。テクノクラートを生かす道を選んだのである。現在のネオナチは東ドイツから出ているのは当然かもしれない。統一後、ドイツの左翼党は第三党になっているが、東ドイツの社会主義統一党の流れをくむ党でトロッキストも合流しているらしい。旧西ドイツでは共産党は非合法だったが、現在のドイツの方がマルクス主義の影響が強くなっている。これが、現在のドイツの知られざる一面である。

意外と東ドイツの影響が強いわけだ。さらにメルケル首相は、ハンブルク生まれだが、父親がルター派の牧師で、ベルリンの壁ができた後も、教会人事は東西共通で、父親は東ドイツに残った数少ない牧師であった。よって東ドイツで育っている。社会主義統一党の青年組織に普通入らない牧師の子だったメルケルは入っている。ロシア語も上手い。東西統一後、メルケルはキリスト教民主同盟に入党している。アメリカは、メルケルに対し、疑念を持っていて盗聴していたのではないかとも言われている。

…こうしてみると、メルケル氏はなかなか謎に満ちている人物だ。とはいえ、私は難民のために頑張って欲しいと思うのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿