2015年10月28日水曜日

ウクライナのフィンランド化?

カレリア地方
実は、今日もウクライナから、同じエントリーに88回のアクセスがあった。「ノースカロライナのアミーゴ」という前任校のALTの話だ。これは、ウクライナの方からのメッセージだとしか思えない。実はイスラエル在住の息子は、エレサレムの治安の悪化のこともあって、ウクライナかベラルーシにいる。チェルノブイリのダークツアーに参加するらしい。どっちもどっちであるという意見もあるかもしれないが、絶対的にウクライナの方が安全であると思う。

さて、昨日エントリーした「大世界史」には、ウクライナについても述べられている。佐藤優はもちろんロシアの専門家であるから、ロシアの新帝国主義については詳しい。EUとロシアの緩衝地帯としての東欧がどんどんEUに飲み込まれていくことに、ロシア・プーチン政権は神経を尖らせているというのはよくわかる。佐藤優によると、最近のプーチンの打つ手は、かなり雑で、大統領職に飽きがきているのではないかという。

ここで、フィンランド化という言葉が出てくる。日本ではフィンランドは北欧の国のひとつ。携帯のノキアやムーミンというイメージが強いが、第二次世界大戦では敗戦国となる。1948年、ソ連と友好協力相互援助条約を結んでいる。独立を維持し、社会主義国とならないかわりにソ連との協力を明言する。WWⅡではソ連と二度戦火を交えた結果、南カレリア地方を奪われ、40万人以上の難民が発生した。しかも戦後も領土返還要求すらしていない。94年にEUに加盟したものの、NATOには加盟していない。

ウクライナも、フィンランド化を余儀なくされるのではないか、というのが佐藤優と池上彰の対談での結論である。たしかに、EUもアメリカも、シリア難民や中国進出など、様々な問題が噴出している中、ウクライナを助けてくれる状況にはないのが現実である。

映画「ホテル・ルワンダ」の中でも、結局先進国は、虐殺が続くルワンダを助けなかった。それどころか、ホテルから観光客やマスコミなどの白人だけを脱出させるシーンが出てくる。これが国際社会の残酷な真実なのかもしれない。

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