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https://www.terra-r.jp/blog/20221119.html |
主人公の青年は、かつてルワンダの大学に留学しているとき、紛争地から来た学生の「紛争が全てを奪ってしまう。」という言葉を思い出す。幸い、襲われた女性たちに命や怪我などはなかったが、地域の治安を守るUPDF(ウガンダ政府軍)に向かわざるをえなかった。住民たちは、武装集団と政府軍がダブルスタンダードで銃の供給をしていることも知っていた。諦め。絶望。だが、彼らは「農作業が楽しいから、これからも農場に行く。」と行ってくれた。
結局、UNDFに警備を依頼するのだが、その兵士の一人は、他に生計を立てられる手段がなかったので入隊したと言う。最低限の衣食住を得て、ある程度貯金が溜まったら何かしらの専門性を身に着けれる学校に行くつもりだという。ウガンダでは、大学出で流暢な英語が話せてもたいした働き口があるわけでもないという。
私はこの話を読んで、まず南アのバックパッカー宿のスタッフをしていた青年を思い出した。大学を出ても、学んだ専門性を活かせないと言っていた彼。ジンバブエ行きの際、親切に対応してくれので、コーラを奢ったら、こんなこと初めてだと感激してくれた。彼は今自分の力を発揮できる職についているだろうか。
また、H高校時代の教え子の一人を思い出した。彼は私のクラスではなかったのだが、3年時に保護者が他界され、姉と2人きりになってしまった。彼はサッカー部でひたすら愚直に練習していたがレギュラーの座を掴むことはなく、ただ真面目さが取り柄という生徒だった。彼が選択した進路は自衛隊であった。私は自衛隊へのリスペクトは高いのだが、長年接してきた「教え子を戦場に送るな」という組合の有名なテーゼを無視はできない。だが、彼の場合、自衛隊が最も良い選択肢であったと思う。私が担任でも賛成したに違いない。今どうしているかな。もしかしたら、専門技術を得て除隊しているかもしれない。
アフリカと日本、たしかに大きく状況は違うけれど、本質的な人間としての問題は全く変わらないと私は思っている。
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