2025年7月27日日曜日

日本の中古車輸出とジブチ到着

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「恋するソマリア」(高野秀行/集英社)には、日本の中古車を直接ソマリランドに販売するルート(UAEのドバイ経由がほとんど) を検討するシーンがある。マークⅡやランドクルーザーが人気らしい。マークⅡは15年落ちで日本円で30万円ほど。直輸入すれば10万円ほど安くなるようだ。これは、高野氏が東京支局長をつとめるソマリランドのケーブルTVのCMの取り組みから出てきた話であるが、結局うまくいかなかった。というのも、ソマリ人のTV局はプライドが高く、放映料は1分$25をビタ一文まけることがなかったのである。

ちなみに、日本の中古車輸出について少し調べてみた。アフリカでは、モンバサ港を中心にケニアやタンザニアが主な輸出先らしい。たしかに、ケニアでは日本車が多い。頑丈で、燃費が低く、故障しにくく、また故障しても部品が安価で早く手に入るという利点もあるらしい。前述のUAEは中東・北アフリカばどへの中継地点で、販売国のニーズをつかみかなり利益を得ているらしい。アジアでは、トラックのみだがフィリピン、それからバングラディシュ、モンゴルも多いらしい。一方で、中国(商業目的の中古車の輸入禁止)やタイ・インドネシア・ベトナム・スリランカ(各国とも規制が厳しい)などには輸出されていない。

ところで、ソマリ人の居住地域は、旧イギリス領のソマリランド、旧イタリア領のソマリア、旧フランス領のジブチ、エチオピア東部とケニア北東部にまたがる。ソマリ人の人口比率は、ソマリランドとソマリアは95%、ジブチは60%である。

そのジブチに、高野氏はまず降り立つ。ジブチは市内中心から半径1kmくらいは立派なホテルやフランス料理店、航空会社のオフィスなどが立ち並んでおり、フランス語の世界である。高級ワインを傾ける観光客や海賊対策でこの地に駐留する兵隊がナイトクラブやバーに繰り出している。フランスの海外県といった趣なのだが、そのエリアを一歩出れば、植民地の雰囲気(画像参照)であるとのこと。そのエリアのホテルに泊まることになった高野氏は、スタッフに何処の出身と聞くと、その属する氏族を言い当てた。ソマリ人は氏族社会で、もともと土地に縛られない遊牧民である彼らは、血縁で固まる。とはいえ、何か事が起きなければソマリ人は一般的に氏族や国籍などに頓着せず親切である。

ジブチは、ソマリ人にとっては「欧米とアラブ社会向け窓口」である。ここから陸路でソマリランドへ凄まじい難行苦行となるのだが、詳細は割愛しておく。

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