2025年8月9日土曜日

PP 近代国家論 国民国家

近代国家論の次の視点は、国民国家である。国民国家は、日本の近代化に於いて最も早く施策されたもので、日本史組に是非確認してもらいたいと思っている。この国民国家化は国民皆兵と同義語である。富国強兵のため廃藩置県を強行した西郷やその背後にいた勝海舟と、戊辰戦争を途中で抜けヨーロッパの軍隊を視察して国民皆兵の重要性を認識して帰国した山縣有朋についてはイラスト・名前なしで示した。見栄えもそうだが、授業では日本史組に質問したいところ。山縣はちょっと難しいかもしれない。

この国民国家=国民皆兵は今も徴兵制に繋がっている。徴兵制を今も継続している地図を見せたうえで各国の事情(特にスイスやスウェーデン、フィンランドなどの、中立国の立場とロシアとの関係性)についても伝えたいと考えている。スウェーデン、フィンランドのNATO加盟にも関係してくるからである。

国民国家化を阻止した黒歴史は、ベルギーの恣意的民族分断(ツチとフツ)やフランスの少数派優遇などがある。こういう現在裕福で力を持っているヨーロッパの黒歴史という事実は生徒に伝えておきたい。ちなみに、ルワンダの虐殺については、映画のポスターのみで陰惨な画像は使わなかった。

国民国家と民族の関係、ヨーロッパの引いた国境の無意味さを見事に表しているアフリカの地図を発見した。世界史組には、この国境線引きを決めた会議の名を質問してベルリン会議という回答を引き出したい。これはおそらく大丈夫だと思う。

国民国家の最後は、多民族国家のアメリカ・カナダ・オーストラリアの移民帰化時の「宣誓」を英文で紹介したPPも作っておいた。この三カ国の宣言の違いも興味深いと思う。

…地理総合(空間的把握)という科目の中で、世界史、日本史、政治・経済のコアな部分を語りながら、国民国家とは何かを語れればと思う。

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