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https://www.yomiuri.co.jp/politics/20250814-OYT1T50066/ |
まず、アフリカ地雷対策プラットフォームの設立である。以前TV放映されたウルルン滞在記で、日本では、ドイツの世界平和村のアンゴラの子供たちの地雷被害が大きな衝撃を受けたが、このアンゴラ内戦をはじめとしたアフリカの紛争では地雷がかなり有効視されてきた。というのも、安価な武器であり、殺傷しなくとも重症を追わせることで敵陣営にそれ以上の負担を与えるという効率性からである。幸い、日本には、カンボジアの地雷撤去活動(カンボジア地雷対策センター)という大きな経験値がある。今回は、5カ国以上で職員に技術研修を実施すること、また日本企業が開発した地雷探知機の供与や除去後の土地での農業開発協力、日本の3Dプリンターを活用した義足の生産能力の向上も進めるそうだ。この「技術研修」という、魚を与えるのではなく魚の釣り方を教える(JICAのよく使う比喩)やり方が、実に日本的な国際協力なわけなのである。
今、アフリカでは中国離れが進んでいる。自国の原材料、自国の労働者によるインフラを整備し借金を押し付け、その国の資源を奪うようなカネ・カネ・カネの「アンゴラモデル」と呼ばれたシステムを、アンゴラが拒否したという報道があって、多くのアフリカ諸国が同調するのではないかと見られている。今こそ、利権まみれの中国に代わり、日本がイニシャチブを取っていくべきだと思う。
さらに、以前から私が注目していたモザンビークのナカラ港とマラウイ、ザンビアを結ぶ「ナカラ回廊」の開発を加速させるらしい。これは、相手国の要請を待たずに行う「オファー型」の枠組みである。これは内陸国の罠にハマっているザンビアの銅をタンザン鉄道ではなく、このルートで確保するという日本の戦略的なサプライチェーンの強靭化と見られている。「ナカラ回廊」の開発自体には大賛成だが、利権の匂いがしてどうも嫌である。モザンビークでは、同じポルトガル語圏で気候も近いブラジルとの南南農業開発で失敗しているだけに、この回廊の開発とともに、ザンビアやモザンビークでの銅製錬工場の整備までやってほしいものだ。ザンビアのモノカルチャー経済を助長し、モザンビークの港湾利権に絡むだけのような中国臭がする。これは、非日本的な国際協力というより、新植民地主義のような気がしてならない。
追記:昨日久しぶりに学院に登校し、1時間だけ授業をした。生徒の顔を見れただけで嬉しいものだ。2学期はアフリカの開発経済学も講じる。このTICADの話題も入れようと思う。
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