2025年8月11日月曜日

「伝授!哲学の極意」書評Ⅱ

いろいろあって、長い間書評が書けなかった「伝授!哲学の極意! ー本質から考えるということはどういうことかー」(竹田青嗣・苫野一徳著/河出新書)について記していこうと思う。もしよろしかったら、まず6月19日付の「「伝授!哲学の極意」書評Ⅰ」を再読いただければと思う。

この一冊は、高校倫理の先生方に是非とも一読をオススメしたい新書である。(学院でも当然オススメした。)と、いうのも、私がこれまで倫理の授業で、「西洋哲学の木」として示してきた一般的な流れを超克する構造を提起しているからである。
西洋哲学の木では、ヘレニズム(ギリシア哲学)とヘブライズム(キリスト教)が木の根っこに示される。哲学の起源はたしかにこの2つの流れであり、正しいといえるのだが、6月19日付で示したキリスト教の「物語」の共同体的世界観(宗教改革で凄惨な戦いが生じたこと、あるいはイスラム共同体との世界観のぶつかり合い)を克服するために哲学が生まれたとする本書の発想は、実に示唆に富んでいるからである。

…昨日、帰国中の息子と竹田青嗣氏と苫野一徳氏について少し話したのだが、後期博士課程まで進んだ息子の評価もなかなか高かった。というわけで、明日から当分書評を書いていくつもりである。

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