2013年8月20日火曜日

朝日 ボツワナのデ・ビアズ

ボツワナ ハボロネ
朝日新聞で、ダイヤモンドの市場の変化について2日間にわたって報道されていた。かつて、ダイヤモンドといえば、南ア、オッペンハイマー家のデ・ビアーズの支配、と相場が決まっていた。それが、ついにロシアの採掘量が世界一となり、「サザビーズ」や「ティファニー」の子会社、香港の「周大福」などに販売経路を拡げているという。オッペンハイマー家もダイヤモンド=シンジケートから撤退、ダイヤモンド価格は、一応市場原理に基づいて販売されているらしい。(一応というのは、現在も需給調整が暗黙のうちに行われているからである。)

で、ボツワナである。ボツワナは、コンゴ民主共和国につぐ世界第三位の採掘量を誇る。近隣国ジンバブエが第四位、アンゴラは第七位、南アが第八位。これらを合わせると、ロシアよりはるかに多い。依然としてコンゴ民主共和国を含めた南アフリカ地域は、ダイヤモンド採掘では世界一のエリアなのだ。首都ハボロネに、ロンドンからダイヤモンド原石取引所が移転してきた。デ・ビアスのかかえるダイヤモンドの73%はボツワナ産だという。ボツワナの協力抜きでデ・ビアスは存続できなかったらしい。ここで年10回の取引が行われ、毎回数百億円が動くと言う。ボツワナの原石加工技術は今や最先端であり、しかも2011年以降、デ・ビアスの原石販売量の10~15%を独自販売する権利を得て収入を得ている。見事な戦略である。

ボツワナの凄いところは、多くのダイヤモンド関係の雇用(ホテル業なども含めて)を生み出ているだけでなく、その富を一部の権力者ではなく、国家総体の開発に向けていることだ。アフリカの優等生と言われる所以はそこにある。

ダイヤモンドの世界も、ますますグローバリゼーションで市場競争が進んでいくのだろう。そこにビジネスチャンスが創生されていく。同時に勝者と敗者が生まれ、さらなる経済格差が生まれていくことも事実である。最近、そういうグローバリゼーションと国家の関係にについて考えているところだ。

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