2011年8月21日日曜日

『アフリカビジネス入門』を読む

先日、ウガンダの”こども兵”の講演を聞きに中央図書館に行った時、せっかくなので一冊本を借りてきた。(近くの同じ枚方市の図書館別館に返却してもOKなので便利である。)新刊書コーナーにあった『アフリカビジネス入門』(芝陽一郎/東洋経済新報社・2011年8月9日発行)である。このブログを書き始めたころ(2010年1月)、週刊東洋経済がアフリカ特集をしたことがあって、その内容について書いたこともある。(2010年1月5日付ブログ参照)
この本は、そういう日本人ビジネスマンから見るというスタンスのアフリカ経済の情報本である。『アフリカ 動き出す-9億人の市場』(2009年12月18日付ブログ参照)の日本版といった印象を受けた。とはいえ、なかなか面白い情報が満載で困った。困ったというのは、図書館の本なので、重要なトコロに線を引いたり、ページを折ったりできないからである。(お行儀が悪いが、私は常にそういう読み方をしている。)仕方ないので、手帳にメモしながら読んだのだ。昨日は、午前中、妻の所用があったので、待機中にずいぶん読んではメモしていたのだった。ちょっと疲れた。(笑)
というわけで、私が面白いと思った情報メモを公開したいと思う。

1.ナイロビの若手のエリートビジネスマンを『チーター世代』と呼ぶ。スワヒリ語と英語をミックスした「シェーン」という独特の若者コトバ(日本の若者と同様、語彙を短縮させる)を話す。もちろんフェイスブックやツイッターを駆使して情報をやり取りするそうだ。
2.モロッコは近年クリーンエネルギー関係に注力著しい。アブダビに拠点を置く企業がバックアップしている。
3.南アの2009年実質GDPは、21兆円で日本の1/25だが、1人あたりでは中国の1.6倍になる。しかも南アのヨハネスブルグの株式市場の上場企業(410社)の資本合計は、日本の1/4の規模になっている。アフリカ全土では、29の証券取引所があり1500近くの上場銘柄がある。ヨハネスブルグはその65%を占めている。
4.アフリカの携帯電話市場の発展は著しく、ケニアのサファリコムの送金サービスSMSは、2005年10月から始まった。所定の手続きをすれば、送金番号が指定される。町中いたるところにあるM-PESAカウンターで送金者はデジポットを購入する。これをSMSで送金すると、照会メールが送られる。受取人はM-PESAカウンターで現金を受けとる。もちろん確認メールも送られるというしくみ。公共料金や銀行口座のない社員の給料支払いにも利用されている。なお、アフリカではフェイスブックやツイッターで主要メディアはニュースの見出しを配信していて、日本以上に利用されている。
5.携帯電話市場の再編も進んでいる。最大のMTNは南アの企業で1億4000万人の利用者。第二位のエアテルは、スーダンのモ・イブラヒム(あのアフリカの開発に貢献した良きガバナンスを構築した為政者を顕彰している財団で有名だ。)のザインをインド企業が買収したもの。利用者4200万人。2010年現在アフリカ全土の携帯電話契約者数は推定4億4800万人。人口の約45%である。なお、ハードの方は、ノキアが80%で、韓国系(LGやサムソン)が20%。最近アップルやグーグルなどスマートフォンも進出してきている。
6.アフリカの家電輸出状況は、中国製品が圧倒的なシェアを誇っている。エアコン(91%)冷蔵庫(73%)カラーTV(84%)。これに対抗するのは、旧宗主国のEU諸国で、冷蔵庫(11%)カラーTV(10%)。韓国も頑張っている。エアコン(2%)冷蔵庫(3%)カラーTV(3%)。日本は、エアコン(0.01%)冷蔵庫(0%)カラーTV(0.04%)である。
7.(著者の言)アフリカは最後のフロンティアではなく弱肉強食の資本主義において食物連鎖の末端かもしれない。
8.(著者の言)ケニアがインドの発展を見て自国の産業の柱の1つとしてITを強化しようとしているのを見ると、アフリカ諸国では第1次産業の次に雇用を大きく生み出す第2次産業が発展するのではなく、資源もしくは農業や観光で外貨を獲得して、そのまま第3次産業に発展につながると見てとれる。その意味ではポスト中国工場として労働力の開拓という意味でのフロンティア性はうすい。
9.(著者の言)アフリカは未開の市場としてのフロンティアではなく、未整備であるがうえにビジネスの可能性が豊富という意味でのフロンティアというのが正しい。
10.(著者の言)貧困への処方箋は雇用しかなく、これは起業家精神が発揮されることを通じてのみ達成できる。
11.(著者の言)日本企業にとってアフリカは遠いが、アフリカ市場からすればMade in Japanは親しみのあるブランドだ。アフリカ市場は価格に厳しいが日本製商品は信用されている。
12.(著者の言)「友人の中国人、配偶者の日本人」というアフリカの言葉がある。JICAを始めとした長い間の日本の国際協力の成果である。
13.2010年12月にJICAは、民間企業と連携したプロジェクト協力準備調査というBOPビジネス連携促進を開始した。BOP市場開拓のためのプランを公募し、NPOやNGO124法人から92件の応募があり20件が採択された。JICAの内外で賛否両論あるが、著者は大きく評価している。
14.C・K・プラハードが提唱した言葉 「ネクスト40億」

あくまでメモの一部である。これらの考察は後日に譲りたいが、なかなか有用な本であった。特に、10の貧困と雇用の問題は、ケインズ以来の理論であるが、民間資本の投資やBOPビジネスによる持続可能な開発の問題を考えている私には、心に残る一文だった。ビジネスとして成立させながら、いかに現地雇用を増やしていくのか。BOPの起業家に大いに期待したいところだ。

教訓:勉強のための本は自費で求めるべきである。もうメモ書きしながらの読書はコリゴリである。(笑)

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