2011年8月14日日曜日

ソマリアのコレラ渦とラスタ

国境なき医師団HPより
ようやく、ソマリアを中心とした東アフリカの飢餓報道が増えてきた。アメリカもEUも日本も、先行き不透明な不況で、援助資金がかなり不足しているらしい。

飢餓になると、餓死するというイメージがあるが、それ以上に難民キャンプなど、衛生状態が極度に悪化する関係で疫病が流行することによる死者のほうが多いらしい。アマルティア=センの飢餓の考察である。だからソマリアの首都モガディオでコレラが流行しているというニュースに、私は決して驚かない。予想された事態なのだ。
私がサポートしている「国境なき医師団」も、ソマリア、ケニア、エチオピアの各地域で頑張ってくれているようだが、かなり厳しい状況のようである。うーん、と唸るしかない現実である。

コレラ渦のWEBニュース:
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2819819/7631680?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
国境なき医師団の東アフリカでの活動:
http://www.msf.or.jp/news/2011/08/5285.php

一方、レディ・ガガやマドンナたち150人が、セーブ・ザ・チルドレンと組んで、『ボブ・マーリー』の名曲をダウンロードするカタチで、今回の飢餓への募金を訴えているというニュースも入っている。頑張ってくれているよなあ。ところで、ボブ・マーリーは、アフリカ人にとって特別な存在だ。昨年4月23日付ブログ『ストロング・マイノリティ・ラスタ』というエントリーで書いたのだが、彼は『ラスタ』のヒーローなのである。ある意味、逆説的な意義もあって、ちょっと面白いなあと感じている。各国政府がモタモタしているのなら、市民が頑張るしかない。
http://www.africa-news.jp/news_jI5ZyS6Mt.html?right

グローバリゼーションの中で、投資先を貪欲に探す「マネー」という怪物が、ドルやユーロから円に流れ、さらに金(GOLD)の価値が再認識され、価格が4倍にも高騰しているという。その一方で、アフリカではこのような悲劇が起こっている。この対蹠的なニュースが同じWEB上に瞬時に流れていることが、冷静に考えてみると私には不条理にしか思えない。私は資本主義を否定する者ではないが、あまりに貪欲な金融資本というものには憤りを覚えてしまう。教科書的には、「構造的暴力」という概念で説明がつくけれども、現実はやはり理不尽である。

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