2011年8月2日火曜日

東北の子供達 鉄人28号の街へ

TVを見ていたら、震災の被害にあった小学生たちが、神戸を訪れたというニュースが流れていた。神戸の子供たちと交流しながら、先の阪神大震災の被害をこのように乗り越えたという姿を子供たちに見せる意義は大きいと思う。子供たちが記念写真を撮った長田区の鉄人28号モニュメントも、象徴的でいいよなあ、と思う。
夏休みになって、各自治体が様々な形で被害にあった子供たちを招待しているらしい。素晴らしいことだ。先日は、台湾が被災者家族を招待したニュースもあった。やはり李総統の国だ。一方、福島の子供たちが「放射線を気にしなくて遊んでいいから、うれしい。」とコメントしている様子は、病める日本の凝縮でもある。あまりに悲しいコメントではないか。

ところで、先に紹介した佐藤優の『交渉術』の後半には、東日本大震災関連のことも書かれている。そこで意外なコトを学んだ。震災直後、在日ドイツ大使館が日本からの脱出を指示していることを、海外(ロンドン)にいた息子からの情報で知った。おそらく、原発の被害を考えてのことだろうなと思っていた。ところが、少し事情が違ったのだ。
欧米の外交団が浮足立っているのを感知した佐藤優は、イスラエルに国際電話したらしい。友人の言。「日本政府の危機管理に対する認識が甘いんじゃないか。僕が言っているのは原発事故に対する評価じゃない。都市パニックに対する認識だ。」「1000万人を超える東京の人々が緊急避難をすることは不可能だ。欧米人はそれを恐れている。」19世紀から20世紀初頭、アジア諸国で騒乱が生じると白人が襲撃されるという記憶が自然に甦ってきたらいい、封印された人種主義が原発事故で吹き出しているという。「僕たちユダヤ人にはそのことがよくわかる。危機に直面すると欧米社会でも反ユダヤ主義が頭をもたげる。」アジア諸国の外交団は落ち着いていたのに、欧米諸国が大騒ぎした裏にはそういう深い問題があったらしい。だからこそ、欧米諸国が震災への日本国民の冷静で忍耐に富んだ態度を大称賛したのも頷けるわけだ。思わず、うーんと唸ったのであった。

佐藤優の「交渉術」に続く文庫本を2冊購入した。石破茂の「国防」(新潮文庫)と、佐々敦行の「危機管理・記者会見のノウハウ」(文春文庫)である。お二人ともちょっとライトな立場だが、新聞の宣伝を見て読んでみたくなったのだった。

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