![]() |
マルクスは、『フォイエルバッハに関するテーゼ』の中で、これまで哲学者はさまざまに世界を解釈してきた。だが大切なのはその世界を変革することだ、と言っている。認識即行動、理論即実践というマルク主主義者の内在的理解は、信仰即行動のカルヴァンの予定説に似ており、親和性がある。(P356)
唯物史観の特徴は、世界のシステムを自然と人間の間の代謝システムであると考えることであるので、本来はエコロジカルなシステムである。ところが革命は、ロシアのような後発国で起きた。実はマルクスとエンゲルスの間に考え方の違いがあり、生産力と生産関係の矛盾という考えはエンゲルスのものであった(画像参照)。それがレーニン、スターリンに継承されロシア革命となり、社会主義が生産力を上げていけば社会制度(=共産主義社会)は変わるとして、一種の生産力至上主義になり、生産性増大運動になった。(P357-8)
佐藤優氏は、現在では、大学でのマルクス経済学の講義もほとんど行われなくなったが、知的世界においては、フランクフルト学派など様々なカタチで、マルクス主義の影響は全く衰えていない故に、勉強しておく必要がある、と述べている。(P358)
…これは左翼ではない私も同感で、ソ連崩壊後、中国もベトナムも開放政策やドイモイ政策で、マルクスレーニン主義だとは言い難い状況になっている。とはいえ、唯物史観や剰余価値説は、高校倫理や政経できちんと学んでおく必要があると思っている。
.png)


0 件のコメント:
コメントを投稿