2025年12月31日水曜日

2025年 回想 ドジャーズの事

https://www.mlb.com/ja/news/will-klein-dodgers-bullpen-world-series-game-3-2025
2025年は、ロシアとウクライナの紛争継続やイスラエルのガザやイランへの攻撃、さらに前述の中国の経済的苦悶と戦狼外交などに加え、欧州やカナダも様々な問題が露呈しており、戦々恐々とした1年だった。

そんな中で、ドジャーズのWS連覇は、一筋の光明ともいえる話題だった。このブログでもドジャーズの事をエントリーする機会が増えた。シーズンでは、ブルペン陣の不甲斐なさ、特に山本投手の勝利を9回に消し去るというショッキングな試合もあり、結局それが響いて地区優勝したものの、他地区より勝率が低くでディビジョンシリーズをよけいに戦う羽目になった。大谷選手は、投手復帰とホームラン王に1本届かずという凄い成績をあげ、見事な”翔タイム”を何度も見せてくれた。山本投手も先発ローテーションを唯一守りきったし、ササミローキ選手も怪我で離脱したものの最後の最後にクローザーとして大活躍をした。

ポストシーズンは更に盛り上がった。大谷選手が”ヒリヒリするような”ポストシーズンの試合がしたくて、弱小エンゼルスを出たわけだが、まさに今年のポストシーズンは、”ヒリヒリ”の連続だった。特にフィリーズ戦やブリューワーズ戦もよかったが、やはりWSのブルージェイズとの7試合、特に3戦目の延長試合と最終戦は”ヒリヒリ”という形容では言語化できない壮絶な試合、いや死闘だった。

スミス捕手は第3戦の延長戦・18回をずっと座り続けた。最終戦では値千金のHRで連覇を呼び込んだ。キケ選手は、”10月男”の名前を欲しいままに、打撃でも守備でも全試合で大活躍した。レフトからの併殺を二度もした。エドマン選手も攻守でいぶし銀の活躍を見せた。フリーマン選手の弾いたヒット性のあたりを見事に捌いて併殺した場面は痺れる。ロハス選手は、ベテランらしく冷静な本塁刺殺やキケ選手のの併殺の球を見事にキャッチしたし、最終戦9回表で起死回生のHRを放った。パヘス選手も最終戦で全力疾走してキケと衝突しながら深いフライを取った。落としていたら終わりだった。テオヘル選手もHRを3本打ち、勝利を引き寄せた。マンシー選手もいいところでHRを打ち、マンシーパワーを見せつけた。ベッツ選手も打撃不振ではあったが、いいところで打点を稼ぎ、第7戦、最後の最後見事な併殺を見せてくれた。フリーマン選手は、なんといってもあの延長18回の第3戦で、山本投手が次に登板する様子を見て、投げさせるわけにはいかんとサヨナラHRを打った。一塁守備でも何度も危機を救った。この全員で勝利に向かうチームワークはさすがである。ほんと、野手陣であまり活躍の機会がなかったのは、キム・ヘソン選手くらいである。

投手陣では、第3戦は投手が次々投入された。現役最後の登板となったカーショー投手も大ピンチを見事に救った。意外に4イニングを投げて1安打・無得点に抑えたほとんど無名のクライン投手(画像参照)を私は称えたい。彼の好投がなかったら連覇はなかったはずだ。先発陣では、スネル投手もグラスノー投手もそれなりに頑張ったのだけれど、ブルージェイズ打線はなかなか手ごわかった。ササミローキ投手も同様だったが、来季に大きな期待を抱かせる。

WSのMVPを獲得した山本投手については、信じられないほど凄かった。WS第2戦・第6戦と勝利を上げて、第7戦にリリーフするという、”神様・仏様・(昔の西鉄の投手:日本シリーズで巨人相手に3連敗後4連勝した)稲尾様”というような活躍だった。ポストシーズン全体を見ても、現在のMLBでは考えられない完投2回という離れ業をしてしまった。ドジャーズの日本人選手の次男的存在で、寡黙だし、背も低いし、地味に扱われてきたが、インタヴューでの発言が意訳されて、「負けるという選択肢はない」(Losing isn't an option)という山本語録がチームを鼓舞することになった。(キケ選手がこのTシャツを着て早速球場入りしていた。笑)ホントは、「なんとしても負けるわけには行かない」だったのだが、優勝セレモニーで自ら言ってしまい、真の名言になった。

そして、やはり大谷選手である。ブリュワーズ戦で、投手として10三振を奪い、同じ試合で3HRをかっ飛ばすというスーパー二刀流の活躍や、WS第3戦・18回の延長戦で、2HR・2二塁打を打った後、敬遠と四球で全打席出塁という、水島漫画でも描けないような活躍を見せた。昨年のWSでは盗塁で怪我をし、そんなに活躍できていなかったが、今回は違う。”ヒリヒリ”したいではなく、”ヒリヒリ”させる側に回ったように思う。4度目のシーズンMVPは当然である。

「野球は退屈ではない」と日本語で書かれたTシャツを山本投手がインタヴューで着ていたが、まさに、今年のドジャーズは、この言葉を体現してくれたわけだ。読者の皆様、よいお年を。

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