2019年11月1日金曜日

アメリカのキリスト教の話1

ボストンのトリニティ教会(英国国教会)http://skkmusic.blog.jp/archives/65075312.html
このところ、橋爪大三郎・大澤真幸の「アメリカ」をじっくり読んでいる。アメリカのプロテスタントの解説は面白い。ヘンリー8世の離婚問題から生まれた英国国教会は、教義的にはいい加減で、カルヴァン派の教義を受け入れる。その後、様々な分離派(メソジストやバブティスト)を生んでいる。分離派と非分離派の違いは、同じようにカルバン派の信仰を持っているが、国教会のメンバーであるのが非分離派。すなわち国教会の主教である国王に忠誠を誓っていることになる。分離派はそれを否定して飛び出した人々だ。(カトリックなら、国王さえ教皇の下に置かれるわけだから「神=人の支配」が完成しているので、全くこういう問題は起きない。オーソドックス=正教会もこの頃は聖俗の最高権威は同一人物故に、こういう問題は起きない。)

さて、プリマス植民地は、やがて英国王の特許状を持つマサチューセッツ湾植民地に吸収される。ここは、英国国教会の非分離派で「公定教会」であった。これは、日本の国家神道が政教分離していない状態くらいの意味になる。イギリスでは国教会、ドイツではルター派が同様の立場で、アメリカでは、現在も連邦では政教分離だが、州以下ではこういう公定教会の制度が残っているそうだ。

ところで、カルヴァン派の長老派(プレスビテリアン:スコットランドに多い)は、ピラミッド型の組織を持っている。日本の寺制度に近い。会衆派(コングリゲーショナル)は直接民主制で、アメリカの民主主義の原点に近いと2人の社会学者は結論付けている。ところで、この会衆派がアメリカで強くなったということは、それまでの公定教会(英国国教会)から離脱したわけであるが、これはプロテスタントが強い地域での政教分離というのは、政から教が離れ自由になったのではなく、純粋になったという理解が必要らしい。ここが日本人にはわかりにくいところで、、例えば、ルター派がカトリックに対抗して生まれ、やがて(政:国王や政府に)認められ公定教会になった。しかしその教義に飽き足らずさらに純粋な教義の派が生まれたとする。これが政教分離だというわけである。

やはりこの本は、期待どおりに新しい学びを提供してくれている。それが嬉しい。

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