2019年11月30日土曜日

"Most Likely to Succeed"上映会

"Most Likely to Succeed"という映画(10月30日付ブログ参照)の上映会が、昨日三崎高校で行われた。教職員だけでなく、近隣の学校や公営塾関係者や興味を持った大学生も参加していただいて、なかなか盛大な上映会となった。この映画は、一般公開されておらず、版権を購入し、上映後はワークショップをすることが義務付けられている。未咲輝塾を開設したプリマ・ペンギーノ社がこの版権を持っているのである。我が塾のN先生が、版権を買おうかと思ったくらい、この映画を見たがっていて、渡りに船で申し込んだのがそものもの始まりである。最初は、町で上映会をしようかと思案していたところ、三崎高校の方で教員研修として開催し、外部の方も参加OKというカタチになった。会場の関係で生徒は今回遠慮してもらったが、私は、この映画は、教育(に関心のある方や保護者、大学生も含めた)関係者で見て、ワークショップをするのが最も適しているのではないかと、鑑賞後に思った次第。高校生が見ても当然いいけれど、現状の教育に大きな不満を抱く可能性も否定できないと思う。それくらいの衝撃がある映画といっても過言ではない。

内容については、前述のブログで記したし、あまり詳しく紹介するのも何だと思うので、若干の感想を記しておこうかと思う。

このPBLだけのHIHの教育は、たしかに素晴らしいと思う。近代国家が目指してきた均一で良質な工場労働者育成のカリキュラムのアンチテーゼとして成功している。ただ、それを全ての教育機関が行うことは非常に難しいと思う。なぜなら、こういう教育を行える教師(1年契約で完全な自由裁量に任されるという大きな制約と責任を負わされる)はそう多くないと思うからだ。ある程度の専門性とともに広い教養と生徒を認める度量と観察眼が求められる。(もし、私が英語が堪能なら、力及ばずとも是非やってみたいと思うが…。)日本ととアメリカは、かなり教育の風土が異なる。実際に視察してみたらわかるが、個人主義的な人格育成という基盤をもつアメリカの教育は、日本にはそぐわない部分も多い。ただ、将来を鑑みると日本の教育がこのままでいいわけではない。おそらく、こういう外からの風を受けて、多くの工業製品同様に、いずれ日本風のモデルが出来上がっていくのではないかと思う。

次に、これの映画はドキュメンタリーであるにもかかわらず、最初と最後に大きなメッセージを注入している。これはかなり効果的だ。このドキュメンタリーが訴えたいところが明確になっている。急に学校や教師や親にに疑問を抱いた少女の表情は極めて示唆的だ。これは、高校時代に多少自主映画製作に関わった経験から感じ取れた。この歳になって、ホント人生に無駄はないなと思ったりする。

最後に、上映後のワークショップについて記しておきたい。あえて、この映画を題材にはせず、今の日本の教育について、6人程度のグループで討論した。
K(Keep)、P(Problem)、T(Try)という視点で付箋に自分の意見をできるだけ多く書き込み、グループ全体にシェアしつつ模造紙に貼っていく。その後、皆でそれを関連付け、グループ総体の意見としてまとめていくというものだった。参加者全体へのシェアは、各グループの1人が残り、その他のメンバーは、他のグループの説明を聞きにまわるというカタチをとった。昔々のJICAの高校生セミナーを彷彿とさせるワークショップだった。

この上映会を企画した塾長のN先生と、わざわざ三崎まで足を運んでいただいたプリマ・ペンギーノの代表F教授、いろいろとお世話いただいた教務部長のH先生にに改めて感謝したいと思う。

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