2019年5月12日日曜日

PBLの資料を入手する。(2)

ここ3日ほど、風邪なのかそれともアレルギー症状なのか、鼻が詰まって苦しかった。時々咳き込んだりした。というわけで、ブログのエントリーがストップしてしまったのだった。PBLの資料の話を続けたい。
3冊借りた中で、この本もなかなか参考になった。「アクティブ・ラーニングを位置づけた中学校社会科の授業プラン」(小原友行編)である。おそらく、義務教育課程では、こういう研究や研修が熱心に行われているようだ。高校では、まず受験という大前提があるので、あまり聞かない。まして日本を離れて4年目である。

この本の特徴は、資料をもとに考察させるものが多いことだ。地理分野などでは、「統計から考えるアジアと日本とのよいつながり」「様々な立場から経済発展と環境保護の対立を考えよう」「アフリカの自立のための援助として、どの解決策が望ましいか判断しよう」など。特に最後のアフリカの課題は、援助という言葉が気になる(正しくは国際協力だと私は思う。)が、私のやっていた実践(ただし、もっとリアルだが…。)に近い。アフリカをひとまとめにすることは私は良いと思わない。各国それぞれの事情があるし、人間の安全保障が必要な国もあれば、インフラで系座発展を望める国もあるし、農業の地道な開発から進めるべき国もあるし、まず観光開発がよいと思われる国もある。中学校の時点では、これでいいのかもしれない。

歴史分野で面白いと思ったのは、「陸奥宗光に完全な条約改正を可能にする案を提案しよう」というとんでもないテーマだ。陸奥宗光といえば、紀州出身の亀山社中の一員で、竜馬暗殺時に大騒ぎしつつも何もできなかった人騒がせな奴で、よく外務大臣にまで出世したなあという人物。(笑)しかも外相の力量で条約交渉が可能なほど外交戦は甘くない。だが、タイトルとしては、なかなか良いと思う。

当然ながら、これらのPBLのテーマを見ると、私などは、自分の結論がすぐ出てきてしまうのだが、これが良くないのだろう。じっくりと生徒に調べさせ、考えさせるところに大きな教育効果があるわけだ。しかしながら、事実からかけ離れた方向へ行った場合はどうすればいいのだろう。その辺の匙加減が難しいような気がする。

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