2016年12月2日金曜日

等身大のアフリカ タンザニア

http://synodos.jp/international/17513/2
スワヒリ語のスマホをプレゼントしよう。(約5000円)という看板
WEBで、面白いアフリカの記事を見つけた。しかも小川さやか氏のなかなか興味深い都市の文化人類学の論文があったので、少し紹介したいと思う。タンザニアで、コピー(偽物)の携帯電話を政府が強制的にシャットダウンすると発表、大騒ぎになったそうだ。3303万8500件もの利用台数があり、スマートフォンも大いに出回っている。送金サービスやSNS、YouTube、カメラ撮影など、日常的ツールになっているらしい。そんなスマホが、使えなくなったら大変である。自分の携帯が100%本物だと信じている利用者の方が少なく、現地メディアは約40%がコピーであると推計していたが、人々は、もっと多いと予想していた。コピーは若干重いとか、カメラのレンズが曇っているとかいう都市伝説が流れた。

コピーの最大生産地は、中国で、タンザニアの輸入商が売れ筋の本物を持って渡航するらしい。ナイロビで買い付ける交易商もいる。ナイロビの工場でコピーが組み立てられているらしい。

小川さやか氏の著作にある「マチンガ」よろしく、ケニアの商人もタンザニアの商人も「クオリティが欲しいか、それとも安さとリスクをとるか」と聞き、身なりや少しの対話で見分け異なる対応をするという。小川さやか氏がフィールドワークで調査した目抜き通りに店を構える店主は、オリジナルをまず見せていかに高額であるかを説明する。その後の対応は消費者の反応を見て決めるらしい。面倒を起こしそうな客にはコピーを売らず、より手ごろな旧モデルの正規品を進め、購買力が届かなければ交渉を打ち切るし、コピーを求める客にはそれを販売するという。

彼ら携帯の商人の議論は興味深い。タンザニアでコピーを欲しがる客がいるのは仕方がないことだ。インターネットが使えなければ人生の多くのチャンスを逃すからだ。コピーにはコピーの道があり、オリジナルにはオリジナルの道がある。この2つの道を交通整理をうまくやって、みんなの需要を満たす必要があるというわけだ。

この後、小川さやか氏は、この事例を通して、(多国籍企業による)上からのグローバル化と下からのグローバル化を論じている。下からのグローバル化は、より徹底した新自由主義化、より人間的な新自由主義で、上からのグローバル化に抵抗するよりもそれが生み出している問題や不公正を自力で解決する場になっている。法には違反しているが、社会的には認められている領域によって形成されている。

2016年6月17日深夜、タンザニア通信規制局は、コピーの通信サービスを停止した。BBCによると、約63万台が通信停止になり、さらに120万台がシャットダウンされるだろうという。通信停止された携帯は、インフォーマルな修理業者に引き取られた。修理屋にとっては、これらは宝の山。コピーを売っていた路上商人たちは修理業に転職した。彼らの手によって、カスタマイズしたタンザニア製のコピーが作られつつあるらしい。

…この辺の逞しさがアフリカらしくて、思わず微笑んでしまった。
http://synodos.jp/authorcategory/africa

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