2016年12月22日木曜日

IBTの話(64) 私費生卒業式 '16

ラザク先生のお孫さんのスピーチ
F36の私費生の卒業式である。4月から私はAクラスを教えてきた。比較的おとなしい、よくできる華人の生徒たちをまず送り出すことになった。すでに私大合格をした生徒もいるが、これから国立に挑戦する生徒もいる。一昨日EJUの結果が意外に早く来て、悲喜こもごもではあったが、かなり高い点数を取ってくれた生徒が多い。私は大いに生徒に恵まれたわけだ。

今日の卒業式で特に印象に残ったこと。
その1は、来賓である日本大使館の一等書記官の方のスピーチである。先日エントリーした「POST TRUTH」の話が出た。イギリスのEU離脱とアメリカ大統領選で、今世界のマスコミも含めたエリートの発想・常識をひっくり返すような事が起こったと説き、IBTの留学生には、日本の大学では単にエリート的な学識だけでなく、世界をひっくり返した人々の意志をくんだ学びを期待したいという趣旨だった。式後、少しお話を伺った。「おそらく文系の生徒はその意味を多少なりとも理解したと思います。」と申し上げると、喜んでいただけた。在校中のF36の国費生にも、この内容は改めて1月に講じたいと思う。

その2は、ラザク先生のお孫さんが、IBTに奨学金を授与しに来られたことである。ラザク先生とは、11月6日付ブログで紹介した、WWⅡ中に日本占領下のマラヤから、日本に留学し、東京大空襲、ヒロシマの原爆を経験したマレーシアの日本語教育の先駆者である。ラザク先生の意志を継いで、日本への留学生に奨学金を送っていただいているのだった。なんと、ありがたいお話であろうか。お孫さんのお話は英語だったので、よく理解できなかったが、おそらくラザク先生の箴言を語られたのだと思う。生徒も真剣な面持ちで静聴していた。
卒業生のコーラス
その3は、生徒のコーラスである。日本の新しい歌のようだが、誰の何という歌かわからないけれど、卒業式に見事にマッチしたものだった。ピアノ、ギター、パーカッションも、そして準備にかかった時間の早さもなかなかたいしたものだったと思う。

記念撮影の後、会食会があり多くの生徒と歓談した。その際に、Aクラスからコメントの書かれた冊子というかマレー系の布でできたアルバムをもらった。栞には私の似顔絵が描かれてあり、授業でよく使ったコトバが書かれていた。ありがたいことだ。これまでにも、卒業式でこういう記念品を生徒にもらうことが度々あったが、今回もまた格別な思いがある。

遠くマレーシア後に来て、妻にも大いに苦労をかけながら、今日という日を迎えられたと思うのである。改めて感謝したい。

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