2016年8月28日日曜日

TICADⅥの基調演説を読む。

以前から関心を寄せてきたTICADⅥがついにナイロビで開催された。外務省のHPを見ると多彩な外交行事が組まれていることがわかる。関係各位の努力の大きさを実感する次第。

さて、日経や産経新聞の記事を見ると、中国のアフリカ進出を念頭に、日本の人材育成による質の向上をめざし、日本の国連安保理常任理事国入りをアピールした基調演説だったように読める。で、論より証拠、基調演説の全文を読んでみた。私の感じたことを率直に記しておきたい。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/afr/af2/page4_002268.html

演説の冒頭に出てきた、アフリカスキャンという会社について調べてみた。さすが、演説にある通りJOCV出身の日本人女性とハーバードでMBAを取得した日本人男性とそしてケニア人男性のつくった、将来性あふれる小売業社だった。
…IBTでも、日本で経営学を学ぼうかと考えている生徒が多数いる。途上国における経営学の未来とはいかなるものか?という、いい資料になるかもしれない。HPにアクセスすることを勧めようかなと思う。
http://www.africascan.com/

アジェンダ63というのは、2013年にAU(アフリカ連合)がこれからのアフリカの50年について示した行動計画である。基調演説では、2023年までにアフリカの代表を国連安保理に送るとしている。これを、日本が讃え、「国連安保理の改革こそは日本とアフリカに共通の目標です。」と結んでいる。かなりの知恵者が外務省やアジェンタ63に詳しいJICA関係者にいると、私は見た。

「カイゼン」の具体的な話も入れ込んでいる。こういう細かなところにまで配慮したところが、この演説のライターの妙味であろうと思う。ライターは、その表現力においても、かなりの筆力を持っている。中国のアフリカ進出を名指しを避けながらも批判している部分、「アジアで根付いた民主主義、法の支配、市場経済の下での成長-、それらの生んだ自信と責任意識が、やさしい風とともにアフリカ全土を包むこと。それが私の願いです。」なかなかの名文だと私は思う。

意外に、今回の基調演説はよかったのではないか、と思う。これは、もちろんライターの力量を褒めているのであるが…。

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