2016年8月16日火曜日

IBTの話(30) カカシ

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アクシデントの話のさらに続きである。昨夜、病院で傷を保護していた白いテープも取られてしまったので、縫っている傷はスッピンである。すこし、髪の毛を垂らして、あまり目立たないようにするしかない。目の周囲の傷はメガネである程度誤魔化せる。とにかく、初めて見た人はぎょっとするようなので、迷惑をかけないためなのだが、なんとなく情けない。

そんな中で、今日授業をしていたら、「先生、”かかし”みたいです。」と言った生徒がいた。私は農家が鳥よけに使うかかしだと思ったのだが、聞いたら、漫画のNARUTOの登場人物らしい。マレーシアで日本語を学んでいる生徒は、日本の漫画やアニメにかなり詳しい。

実は、私はNARUTOという漫画をほとんど知らないので、最初きっとダメな登場人物だと思っていた。昼休みに調べてみたら、なかなか格好いい人物だった。主人公の先生役のようである。人気も主人公以上らしい。全く本物は見たことはないのだが…。(画像参照)

で、なんとなく、右目の上下の傷は、”カカシ”のようで、格好いいのだ、と思うことにした。彼の髪の毛もグレーだし。生徒は、私を励ますつもりで、言ってくれたのだと思う。実はかなり暖かい激励のコトバだったのだ。4ヶ月間、私なりに彼らとは真摯に向かい合ってきた。そういう信頼関係の中で生まれた新しいニックネームということで、私は”カカシ”として、これから先も、この傷と向かい合っていくことにした。

まさに生徒に救われたような気がする。いつも思うのだが、教師が上ではない。生徒から学ぶことは多い。今回は学ぶ以上に救われた気がするのだ。あの4月1日、関空での前任校の教え子たちの見送りにも救われたが、こちらでも救われた。本当にありがたいことだ、としみじみ思っている。

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