2025年11月18日火曜日

教材研究 オランダの国是

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オランダの国是は、王室のモットーである「Ik zal hanghaven」(我、守り続けん)である。何を守るのか?それは、スペインから独立した歴史と、海跋以下の土地を水利・治水技術による国土保全だといえる。非公式な国是には、「独立・自由・寛容性」が挙げられる。ここで謳われる自由と寛容性は、フランスのユグノー戦争で迫害を受けた人々を受け入れた歴史や商業国家として、合理的な精神性と対話力などが背景にあるようだ。

オランダは、世界的に最もリベラルな国家だと言われる。まずは、マリファナなどのソフトドラッグとハードドラッグ(LSDなど)を区別し、マリファナについては、コーヒーショップで非刑罰対象として許可していることが挙げられる。(マリファナの使用率は、EU諸国の平均くらいだと言われている。)また、2001年に世界初の同性婚を認めた国でもある。さらに、厳しい条件(患者の示達的かつ熟慮による要請/患者の苦痛が永続的で耐え難いこと/他の合理的解決策がないと患者と医師が確信していること/別の医師の意見を聞いて判断等)のもと、世界初の安楽死を合法化した国でもある。オランダでは、2013年の統計で9068件の安楽死の処置が行われたという。これには、国民の過半数が無宗教という宗教的背景がある。オランダと言えば、ゴイセン(カルヴァン派)の拠点で、前述のアフリカーナーと同じかと思いきや、本国では、すでに(日本同様に)他のプロテスタントと合併し、13%ほどになっていることが大きい。

…国是やその国の理想を語るうえで、オランダは外せないと判断した。私が、ケニア視察の帰路に見たオランダ・アムステルダムは、LGBTの象徴であるレインボーフラッグがあふれており、まるで、NYCを彷彿とさせたのだった。もちろん、いくら合法とはいえ、マリファナを吸うことなど思いもよらなかったのだが。ところで、教材としては、売春の合法化については触れないことにした。女子生徒が多いし、適当でないと判断したのである。とはいえ、アムスでは、お土産屋には、飾り窓のマグネットが溢れていたのだった。

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