2018年3月30日金曜日

ジンバブエのその後

http://polandball.blog.fc2.com/blog-entry-117.html このコミックは傑作です
ムガベが大統領を追われて、ジンバブエはどうなるのか心配していたのだが、その後の状況が時事通信から報道されている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018033000740&g=int

とりあえずは、順調なようだ。それなりに新しい風を首都ハラレでは感じれるのだろう。物価も下がり、期待も大きいようだ。新大統領が犬猿の仲だった英国の要人とも会い、国際社会に打って出たのも、韓国やスウェーデンの投資家が視察に来ているというのも大きな進展だと思われる。
一方で、まだムガベが駄々をこねているようだが、忘れてはならないのは、記事にもあるように、ムガベはジンバブエを独立させ、白人を追い出した「建国の父」であることだ。このムガベに対する思いは、ハラレのような都市部ではなく、農村部に強い。

…ジンバブエから南アへの帰路、夜行バスの中でガーナ人が私に「ジンバブエはハラレを見たからと行ってもわからない。農村と都市は違う。(趣旨)」と言ったことを思い出す。都市では、白人が消えて一気に経済が悪化しハイパーインフレになりかけている頃(2004年夏)だった。したがって、白人に帰ってきて欲しいという声を聞いたが、農村部では、白人支配による農場で搾取され続けてきたという歴史がある。ジンバブエの白人追い出しについての書物も何冊か読んだが、かなり過激な手段に訴えている。それだけ恨みも大きいのだろう。したがって、これを発動したムガベの正義を信じている農村部に、新政権の新しい風がどう感じられるかは未知数だと私も思う。

…都市部と農村部の経済格差、意識のずれ、そういった様々な難題がジンバブエだけではなく、多くの途上国、いや先進国のアメリカでも起こっている。そんな分断の時代に我々は生きているのだと思わずにはおれない。

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