2018年3月5日月曜日

月夜の蟹

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「安野光雅の異端審問」(朝日文庫)という本の中に、「月夜の蟹」は本当にまずいのかという章がある。蟹は月夜をおそれ、エサをあさらないので、やせて身が細く美味しくないという俗説らしい。一方で、内容がない、頭がからっぽの人をさすそうだ。今朝、バスの中で読んでいて、恥ずかしながら、日本語の中に、こういう慣用句があるのだということを初めて知った。

今日も「月夜の蟹」は、鉄とアルミに関わる中間選挙の票をあさろうとしているが、結局そのために欧州と貿易戦争的な応酬をするはめになっている。EUがハーレーやリーバイスに関税を掛けるなら、ことらはドイツ車にかけるという。月夜の蟹は、ドイツ車や日本車など自国で多くのが外国車が生産されていることを知らない。
http://www.afpbb.com/articles/-/3166011?cx_recommend=cx_popular

一方で、『農業超大国 アメリカの戦略-TPPで問われる「食糧安保」』(石井勇人/新潮社2013年)を読んでいたら、冒頭に習近平が副主席としてアメリカ・アイオワ州を訪れた時の話が出てきた。21年ぶりの訪問だという。地方の政治家として汗をかいていたころ、同州を訪れ、農業技術や政策を学んでいたのだという。次の中国指導者として多くのビジネスマンを従えて凱旋。ホームステイ先を再訪し、「ここは第二の故郷」と発言し、大豆や飼料作物の買い付けを行ったという。米中は、世界の農業大国である、相互発展をするのが当然と言いつつ、小麦やトウモロコシには目もくれず(中国は自給が可能・食の安全保障は既に確立している。)、先を見越して、食肉需要のために飼料を大量に手に入れたのだという。大国の指導者というのは、そういう先を見通すことが必要だ。「月夜の蟹」とは、悲しいほどに質が違う。

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