2018年2月10日土曜日

マックヘンリー要塞のこと

社会科の教師には、ついついウソを本当のように語ってしまうという『罠』がある。後々に教材研究をしていて、あれ?と思うことがある。間違ったことを教えてしまったという後悔の念が湧く。十分に教材研究していたつもりなのだが、浅学故に勘違いしてしまうこともあるのだ。

マックヘンリー要塞について、つい最近そういう勘違いをしていたことがわかった。アメリカのメリーランド州・ボルチモア近郊にある星形の要塞である。私にとって、最初のアメリカ研修旅行での視察地で思い出深い所である。マックヘンリー要塞は、「星条旗よ永遠なれ」というアメリカ国歌の元になった場所で、英軍の軍艦に拘束されていたアメリカ人弁護士(フランシス・スコット・キー)が、攻撃中の軍艦からマックヘンリー要塞にはためく星条旗を見て、感動して作詞したものがベースになっている。

問題は、私はこれを独立戦争時のことだと思い込んでいたことだ。いやいや、これはヨーロッパで行われていたナポレオン戦争のあおりを受けて、米英戦争が起こったのだが、その時の話である。米英戦争は、イギリスとの貿易がストップし、その影響で、北部は保護貿易求め、一気に輸入代替工業化が進む。一方で南部は綿花プランテーションが主産業故に自由貿易化を求め、イギリスに依存することを望み、世界史上では南北戦争のきっかけをつくった戦争であるというのが重要事項であるが、実際にはネイティブアメリカンやカナダをめぐってかなり複雑怪奇な戦争である。

戦争の経過についてあまり詳しく教えることもないのだが、それにしても、教材研究の恐ろしさを今になって改めて深く感じた次第。授業というのは、一期一会である。プロとして、今更ながらだが、しかっりやらねば。

0 件のコメント:

コメントを投稿