2015年3月28日土曜日

サウジのイエメン空爆に思う

イエメンの首都 世界遺産の街サナア
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このところ、中田考氏や常岡浩介氏の本を読んできたので、イエメンのシーア派武装組織フーシが首都サナアに侵攻したというニュースを受けて、きっとワッハーブ派のサウジが黙っていないだろうと思っていたら、まさにその通りになった。

イエメンはそもそも古くからのスンニ派とシーア派の人口比率が近い国だし、南北に分かれていたりして歴史もかなり複雑である。しかも、アラビア半島で最も貧しい。サウジにも多くの出稼ぎ労働者が来ているはずだ。イエメンの不安定化は、イランやシリアとの戦いを抱えているサウジにとって地政学的な問題であるとともに、国内の治安問題でもあると私は思う。

昨日の日経には、就任して間もないサルマーン国王が、アラブの国々を訪問し、このイエメン包囲網の根回しをしていたようだという記事もあった。サウジは、中田氏の本にもあったように、極めてシーア派を敵視している。イエメンのシーア派は、イランなどの十二イマーム派とは異なるザイド派であるようだが、シーア派はシーア派である。

当然、イランは批判を強めている。だんだん中東がスンニ派対シーア派の相互のジハード状態になってきたことを深く憂慮する次第。私自身は、アメリカや欧州を含めた異教徒(非ムスリム)があまり手出しをすべきではないと思っている。展開がややこしくなるだけだと思っている。とはいえ、イエメンは、紅海の出口に位置する。そうもいってられない事情もあるわけだ。

イエメンの首都のサナアは、世界遺産にも登録されている貴重な文化遺産の街である。一般の人々の無事とともに、その景観の無事をも祈りたい。

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