2015年3月8日日曜日

イコン画家 山下りん

http://www.pref.hokkaido.lg.jp
/ks/bns/artmap/ati/ati026.htm
マラソン中継で、楽しみにしていた「One Peace」がまた見れなかかった。失意の中でチャンネルを変えていると、Eテレの日曜美術館で日本人初のイコン画家・山下りんの話と作品の紹介がなされていた。

戊辰戦争の影響で、北海道や東北にハリトリス正教会がかなり広がったという歴史は、恥ずかしながらあまり知らなかかった。山下りん自身は茨城県出身で、東京で友の影響で正教会入信している。帝政ロシア時代のペテルブルグに留学し、イコンを学ぶが、彼女の目指していたルネッサンス的な写実的なイコンは描けず、ビザンチン様式のものがもてはやされていた。彼女はビザンチン様式を「おばけ絵」として嫌ったようだ。5年の予定を2年で帰国し、東京の日本正教会に身を寄せ、外界と遮断された生活を送る。長いあいだ描けなかったらしい。イコンは模写することが正教会の原則ということで、ようやく、ビザンチン様式の「ウラディミルの聖母」をイタリア様式に変えて描く。普通、イコンには作者名を書かないらしいが、この作品は山下りんの署名が裏にあり、一生手放さなかったという。ウィキによると、この山下りんという人、まさに修道女という感じの私心のない人だったようだ。

以来、300にもおよぶイコンを制作。イタリア風の写実的なイコンである。恥ずかしながら、日本にイコンを描いた画家がいたことも初めて知った。私は正教会とはなかなか縁がなくて、日本の正教会の教会に入ったことがない。NYで初めてロシア正教会の教会に入ったときは、大いに感動した。エレサレムではアルメニア正教会の教会に入ることもできた。正教会は、あまり一般公開していないからだと思う。山下りんのイコンも見てみたいが、常時一般公開されていないので難しそうだ。

<山下りんのイコン所蔵教会一覧>http://www.orthodoxjapan.jp/seizou.html

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