2014年10月8日水曜日

毎日 ケニヤッタ大統領 ICC出席

http://time-az.com/main/detail/39319
ケニアの07年の大統領選による暴動を巡って、ケニヤッタ初代大統領の息子で、現大統領のケニヤッタ氏が、ICC(国際刑事裁判所)で開かれるヒアリングに、私人として8日参加するという記事が、今日の毎日新聞朝刊に出ていた。

当時、ケニヤッタ氏は政党の幹部として暴動を指揮したとして訴追されていたもの。人道に対する罪として訴追されていた。11年、副首相というポストにあった時、起訴前の聴取に応じている。主任検察官は先月証拠不十分で公判は難しいという見解を示していた。同時にケニアが十分な資料を提出していないので、起訴自体は撤回できないとして出席を促していた。

…要するに、大統領がヒアリングに出席すれば、証拠不十分で起訴が取り下げられる可能性が高いわけだ。AU(アフリカ連合)は、現職大統領を訴追すべきではない、として公判中止を求めていた。ケニヤッタ氏は全ての権限を副大統領に一時的に委任、私人として参加するのはAUへの配慮である。また、ケニアはICCを規定するローマ条約加盟国であり、ICCの法手続きを順守する姿勢を見せることで、国際的信用を得ることもできる。

…これらを鑑みてのケニヤッタ氏の政治判断というわけだ。

…ケニアのエスニック・グループの構成は、ケニヤッタ氏の属するキクユ人が最も多い。キクユ人は、マウマウ団以来ケニア独立の中心的存在で、初代ケニヤッタ・二代モイ・三代キバキとキクユ人の大統領が続いてきた。特にキバキは、キクユ人優遇の政策を取った故に、かなり政治が混乱する。07年の大統領選挙では、ルオ人である大統領候補オディンガ氏との選挙となり、予想を裏切り、キバキ氏が勝利した。選挙に不正があったという野党側とそれを抑えようとする政府側でおおきな騒動になった。(ケニア危機)今回、ICCが問題にしているのは、キバキ側についていたケニヤッタ氏の当時の指示内容であるわけだ。

…1000人以上が犠牲となったケニア危機について、どうケニヤッタ氏は語るのだろうか。おそらくは、無罪を主張するだろうし、ICCもこれで不起訴として決着をはかる可能性が高い。アフリカのデモクレイジーのひとつの象徴的な事件であるわけだが、私としては続報を待ちたい。

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