2014年10月2日木曜日

インド経由DEアフリカ・ビジネス

http://plaza.rakuten.co.jp/isbrics/diary/?ctgy=1
「最後の市場アフリカ」(野村修一、ジェームス・クリア著/日本実業出版社)を少しずつ読んでいる。なかなか面白い。アフリカ市場へのアプローチ方法として、インド+アフリカという選択肢があるそうだ。インドの1人あたりのGDPは$1500である。これを上回る国はアフリカには12カ国ある。さらに$1000~2000をインドと同程度と仮定すると、このゾーンに12カ国ある。すなわち、アフリカの中のかなりの国がインドと同程度か、それ以上の所得水準にあることを意味する。

本書の資料によると、インドを上回る国は以下の通り。リビア、ガボン、セーシェルがブラジル($11358)と同程度。南ア、ボツワナ、アンゴラ、アルジェリアが中国($6071)と同程度。チュニジア、カーボヴェルテ、スワジランド、コンゴ民主共和国、エジプト、モロッコがインドネシア($3593)と同程度だという。

…私が主に考察しているサブ=サハラ・アフリカだけでなくホワイトアフリカも混じっているし、石油などによるレンティア国家が多い。かなりジニ係数も高そうだ。(一部の富裕層が多く、経済格差が大きい。)とはいえ、市場規模という視点からは意味のありそうな統計結果である。

一方、インドと同程度の国は、スーダン、南スーダン、ジブチ、チャド、カメルーン、ナイジェリア、ガーナ、コートジボワール、モーリタニア、セネガル、ザンビア、レソトの国名が挙がっている。

これらの国では、インドで売れるものが近いのではないかという推測が成り立つわけだ。人口構成も似ている。インドの企業、たとえばタタ財閥はアフリカ進出を進めているし、日本企業(スズキやトヨタなど)もインドの現地法人からアフリカを目指しているらしい。しかも、アフリカの旧イギリス植民地には印僑のネットワークが出来上がっている。さらに、インド・ルピーが対ドルで史上最安値を更新している。インドで生産したものを売るには大きなビジネスチャンスになっているわけだ。

ここで、インド系が多いモーリシャスが注目を浴びている。インドとは、二重課税防止条約が結ばれているので、インド企業にとって進出が容易で、実際モーリシャス経由でアフリカに投資する企業も多いらしい。モーリシャスは、IPPA(投資保護協定)を多くの国と結んでいるので、武力紛争や暴動時の損失補償が規定されているし、モーリシャスの企業にはキャピタルゲイン課税(30%ほど)がかからない。またアフリカ37カ国とも二重課税防止条約を結んでいる。さらに、モーリシャスはCOMESA(東南部アフリカ市場共同体)、SADC(南部アフリカ開発共同体)に加盟しているし、何より、世銀が毎年発表しているビジネスのやりやすい国ランキングで世界20位(アフリカでは1位)、日本やドイツよりランキングが上である。

…すなわち、インド発モーリシャス経由アフリカ大陸というビジネスはかなり魅力的なわけだ。面白い。ちなみに、こんな記述もあった。1人あたりGDPとそこで売れる商品の位置づけの関連。$1000を超えると女性用の衛生商品や赤ちゃんのオムツ、モーターバイクが売れ始めるという。$3000を超えると乗用車、$10000で介護ビジネス、大人のためのオムツが売れるようになるそうだ。こういう、経営学のグローバルな経験と知識の蓄積は凄いな、と思う。

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