2014年10月16日木曜日

日経 「友好」と「裏切り」

http://www.aliexpress.com/w/wholesale
-collection-playing-cards.html
日経の朝刊2面に、外交に関する好対照の記事が出ていた。「友好」と「裏切り」。

まずは、「真相深層」というコラム。これまで安倍首相は「日中友好」という語を使わなかった。「友好」は中国の反発を避けようとした外務省や自民党ハト派の対中外交を象徴するコトバであり、不満だったからと言われる。それで「戦略的互換関係」に変えたのだ。安倍首相は「友好」というコトバに、日中友好に反することをやってはならないという強迫観念をかられると言う。日中友好に反しているか否かは中国が決めることになるとして、「友好は手段であって目的ではない。」とも発言していた。そんな安倍首相が、9月29日の所信表明演説で、ついに「友好」という語を使い出したのだという。この変節をどう見るか。

その下には「迫真」というコラム。タイトルは「プーチンの執念」。森元首相との会談で、プーチン露大統領は「彼ら(欧米)は信用できない、日本はなぜ(欧米の)言いなりになるのか。」と言ったそうだ。プーチンは、KGBの職員としてドイツに駐在していた思い出を語り、1990年、ゴルバチョフはNATOについて、欧米から東欧への拡大はないという確約を得たので東西ドイツ統一を受け入れたのだと語った。ソ連崩壊後、その東欧が次々とNATO入りした。プーチンは情報収集のプロとして「裏切りによって(ロシアは)軍事的に包囲される。」と強く感じている。ウクライナ政変でも親米派と親ロシア派大統領の間で混乱が生じたとき、その収拾で合意を得た直後に親米派が合意を破棄し、政権転覆に動いたと主張した。ある外交専門家は、プーチンという人物は、「仁義を重んじ、裏切りを最大の罪悪とする価値観を体現している。」という。

…日中外交とロシア外交。違う視点から見ると、こうも見えるのだ、という絶好のコラム2題だった。それぞれ、なるほど、と私は思えるのだが…。

0 件のコメント:

コメントを投稿