2014年10月11日土曜日

広島県警に教育権を問う

広島県警HPより
教育権を訴えたマララさんに、ノーベル平和賞が贈られた昨日、極めて不愉快な事件があった。私のクラスの生徒のことで、広島県警のM警察署・刑事課から電話があったのだ。生徒の自転車が、広島に存在していたらしい。盗難車としての確認を本人から直接したいという。14時30分くらいの話である。「授業中ですでの無理です。」「今すぐお願いしたい。」「授業中に呼び出したりできません。15時5分に授業が終わり、SHRがあります。その後20分くらいになったら、本人に電話をさせます。」「…(上司に相談しているようである)今すぐ、お願いできないでしょうか?」「何故ですか、どんな重要事件か知りませんが、教育を受ける権利があります。」「そこをなんとか。」あんまりにしつこく、教育現場のことなど配慮できない姿勢に腹が立ったので、「協力できません。」と電話を切ったのだ。

この日は、来週明けから始まる期末考査に向けての指導や、出来上がった進学のための調査書の手渡し、台風への対応、とくにこの三連休に入試のある生徒への注意などSHRで語らねばならないことは山ほどあったし、その後に受験補習も入れていた。さらに土曜日の入試でプレゼンテーションする生徒の指導もあったのだ。20分に職員室に戻るのが精一杯の状況である。広島県警・M署の刑事課はその”少しの時間”が待てないらしい。何様のつもりなのか。

ようやく時間が取れたので、17時を過ぎてから生徒の保護者に連絡をとった。保護者のお話だと、(防犯関係から電話番号を調べたらしい)3回も自宅に電話がかかってきて、生徒本人に確認したいとしつこかったらしい。学校では、授業中だし、そもそも携帯電話の使用を禁止されているので、そんなことはできないと拒否されたそうだ。そこで、学校にまで電話をしてきたのだという。

何を考えているのか、と私は思う。教育関係者なら当然だろう。15時20分まで、なぜ待てないのか。教育を受ける権利というものを知らないのか。学校で決められた携帯電話使用のルールを守ることを広島県警は平気でやぶらせようとするのか。広島の学校ならOKなのか。私には、警察権力の傲慢、理不尽だとしか思えない。

まして、その生徒は、受験のための小論文指導で、その後遅くまで国語科の先生に指導を受けていた。そういう状況下の話である。結局、校内で携帯電話を使って、回答せざるを得なかったという。生徒は「すみません。校内で携帯電話を使いました。」と詫びた。本来なら、携帯電話を取り上げ、反省文を書かせる指導が伴うが、私は当然不問にした。生徒は、自転車を盗難された被害者である。その被害者がなぜ、このような侘びの言葉を口にしなければならないのか。広島県警に、その全ての責任がある。

昨夜、広島県警のHPの苦情申請に、この旨をメールしておいた。教育関係者として、このような理不尽な行為を、見逃すことは出来ない。広島県警、ならびにM署に、生徒、保護者、学校に対して、誠意ある謝罪を要求する。

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