2013年12月31日火曜日

南スーダンに平和を。

http://www.capitalfm.co.ke/news/2013/12/south-sudan-fighting-spreads-to-half-countrys-states/
南スーダン情勢が厳しさを増している。そもそもは独立時の大統領と副大統領の権力争いだったものが、当然のように民族間の紛争へと発展した様相である。それもこれも石油という「天然資源の罠」のなせるわざである。虫除けの白い灰を体に塗りつけたホワイトアーミーと呼ばれる民兵組織も動き出したりして、ますますセンセーショナルに報道されている。

国際的なPKOの緊急増派が行われ、その第一陣がバングラディシュだという。ウガンダなど周辺国も反政府軍掃討に動く可能性が高いという。貧しい国々の人々が動かされている、と感じるのは私だけであろうか。最もこの内戦の拡大・長期化を危惧しているのは、石油を欲している先進国や中国だ。結局資源を欲している国が、貧しい国の人々の命をコマにして、自らの利益を守ろうとしている。

土木工事などで頑張っている自衛隊員の方々を悪く言うつもりはないが、日本の南スーダンへの自衛隊派遣は、中国のアフリカ諸国への影響を少しでも軽減するためというのが、政府の本音ではないか。要するに「国益」である。

「国益」という言葉に最近、「民意」と同じような胡散臭さを感じる。2013年という年は、「国益」や「民意」といった、極めて主語があいまいなコトバに、教育現場も民主主義も翻弄された1年だったような気がする。これらのコトバが、ハイデッガーの言う、誰でもない、不特定多数の「ひと(das Man)」の同義語に成り下がったような1年だった。

南スーダンの悲劇も、ソマリアの悲劇も、中央アフリカの悲劇も、国家の「国益」ではなく、先進国の「民意」でもなく、「人類の叡智」によって解決されることを祈るものである。…南スーダンに平和を。アフリカ全土に平和を。

本年の最後に、長らく紹介できなかった新しい読者の方、Makoto Odagawaさん、サプリ万太郎さんのお二人にお詫びと、読者登録していただいた御礼を述べておきたいと思います。一時期、読者のガジェットが不調だった間に登録していただけたのですが、紹介する時期を逸していました。来年もよろしくお願いします。

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