2012年8月10日金曜日

It's not just an airline.

【イスラエル-(超)多文化共生(強制)の地を覗く-その1】
今回のイスラエル紀行文の最初に、かの地で感じたことの概説を述べたい。とはいえ、私が滞在した実質11日間で、何がわかろうか。あくまで現場の高校教師が覗いた程度の主観的なものであることを明言しておきたい。

イスラエルのナショナルフラッグであるエルアル航空のチェックインした香港から、イスラエルの旅は始まったように思う。エルアル航空のキャッチフレーズは凄い。『エルアル航空は、単なる航空会社ではない、イスラエル国家そのものである。』私は、このキャッチフレーズがまさに真実であると思ったことが、3つある。1つは、セキュリティの厳しさである。他の航空会社と違って、チェックインの前に尋問される。(あわてず、「日本語で。」と、お願いすると、質問事項が日本語で書かれた用紙をもってきてくれる。…私のリスニング能力では心もとない。)必要なら荷物チェックまでされるだろう。そんな厳戒態勢である。もっと凄かったのが、乗り込むゲート付近で、持ち主不明の荷物があるとのことで、我々は違う場所に移動させられたことである。(もちろん、その後持ち主が見つかり、何事もなかったが…。)常に敵から身を守る体制を保持する。平和日本から見れば全く危機管理のレベルが違うのだ。
その2は、飛行ルートである。上記の地図を見ていただきたい。イランやイラク、シリア、ヨルダン、レバノン、サウジアラビアといった地域を見事に迂回しているのが明白である。大きく迂回してトルコ上空から地中海に入りテルアビブへ向かうのだ。バンコクやムンバイからだと、紅海の上空を飛ぶようである。イスラエルという国家を取り巻く厳しい環境を、この飛行ルートはまさに物語っている。その3は、登場開始時間の早さである。普通の航空会社の倍くらい早い。これは、イスラエルという国に住む人々の多様性とその自我の強さに関係しているように思うのだ。日本的な遠慮とか配慮といったコトバは通用しない。各人が個々の動きをするので、統制がなかなかとれないのだ。この発見は、11日間終始ついて回ることになる。おまけに、機内食の取り下げが無茶苦茶早い。私はこの方が好きだが、他の航空会社と比べると明らかに早い。(国内で食事しても、かなり早いことが後で判明する。)ちなみに往路では、超正統派の人々を見なかった。(息子によると、なにか祭事期間だったらしい。)復路では、周りにたくさん乗っていた。例の黒い帽子の形を崩さないためのハードケースも見た。機内で祈っている姿も見た。一方で、肩を露出し、ホットパンツ姿の若いユダヤ人女性も見た。大きな声で周囲をはばからず談笑しているユダヤ人グループも見た。この収拾のつかないような空間、たしかにエルアル航空は、イスラエル国家そのものなのだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿