2012年8月18日土曜日

有難う 秋田商業高校野球部

先ほど甲子園から帰宅した。もちろん秋田商業の三回戦を応援するためである。残念ながら三回戦突破はならなかったが、心から有難うと言いたい。
昨日は、学校の勤務を終えてから秋田商業の宿舎のホテルに行ったのだ。監督と付き添いの両O先生お二人にお会いするためだった。ちょうど、ミーティングから夕食という時間帯であった。野球部の3年生(レギュラーや記録員、その他の役員などを務める部員も含めて全て3年生だそうだ。)がここに8月3日から滞在している。「毎日おいしくて違うメニューを作ってもらって、生徒にも好評です。」とのこと。とはいえ、練習に出る以外は、あまり外にも出れず不自由な日々であったことだろう。「私はO監督、部長の先生に続く3番目の付き添いですから。監督は大変だと思います。」とO先生。そうだろうなあ。前回のF高校との試合は、ピッチャーに多く投げさせる前向きの待ち球作戦がが成功したらしい。24時間そういうことを考えてるんだろうなあと考えていたら、O監督がやってきて握手。開口一番「なぎなた部のIH優勝おめでとうございます。」いやあ、嬉しかった。あまり時間を取ると申し訳ないので、早々に辞した次第。もちろん、選手諸君にも会った。O先生の知り合いだとわかったからだろう、礼儀正しく挨拶をしてくれた。宿舎での選手たち、カメラに収めようかと思ったがやめた。普通でもマスコミに注目されている。教師である私は、高校生にとってあまり良いことであるとは思っていない。だからあえて特別扱いしたくないので自重した次第。

O先生と応援団(試合前)
さて、今日の試合。第三試合の6回に雷鳴が轟き、試合が中断した。その後雨脚も激しくなり2時間くらい、喫煙室に行ったり、階段で座り込み文庫本を読んだりして待っていた。気になったのは、今度はバスで秋田から駆け付けた秋田商業の応援生徒たちである。ブラスバンドも楽器をもってやってきたいたはず。今日は、O先生にアルプス席のチケットをもらったのだ。後でお聞きしたら、甲子園のスタッフが時間前(7回裏くらいから、次の試合の学校は球場に入れる手はずになっているらしい。中断になったのは6回だから本当は入れない。)に球場内に入れてくれたとのこと。「満員状態でしたが、濡れずにすみました。先生は大丈夫でしたか。」と反対に心配されてしまった。

すでに照明がついている(1回裏)
すでに照明が付けられている。雨はポチポチと降っている中で試合が始まった。1回先頭打者ホームランを打たれたが、2塁打とタイムリーですぐ同点に。さすが秋田商業。ところが、だんだん引き離されていく。向こうは岡山県なので大応援団。こちらは遠いうえに、アルプス席は特に人数が少ない。懸命に応援する生徒たち。2時間以上待っても応援しに来た一般の人も大声で選手に声をかけている。頑張っているのだが、多勢に無勢。だんだんグランドの選手たちも押されてしまう。そんな感じだった。

9回裏 最後まであきらめず応援
私が感心したことが2つある。守りの時、秋田商業の応援団の周囲にそれまで一番下で踊りまわっていた1・2年生がグラブをつけて立つのだ。万一ファウルボールが飛来する時に備えているのである。うーんなるほど。外野席では気がつかなかったが、案外飛んで着るので危険である。もうひとつ、試合が終わって、アルプス席に礼をしにベンチ入りしている選手が並んだ時のことである。応援席の野球部員全員がまわれ右して応援席に向いたのだ。グランドの選手に合わせて礼をしていた。他の学校はどうしているのかは知らない。だが、私はこの秋田商業高校野球部の姿勢、もの凄く感動したのだった。これこそ高校野球だ。普通の高校生のあるべき姿だ。

マスコミは連日、活躍した選手や話題性のある選手を持ち上げる。悪いとは言わないが、彼らは甲子園に出たからといって特別な人間、スターではない。まだまだ学ぶことが多い高校生なのだ。傲慢さを身につけさせてはいけない。公立高校で、寮で生活させているわけでもなく、他府県から野球留学させているわけでもなく、特に秀でた選手がいるわけではない秋田商業の野球部。だが、グランドのプレーでも、スタンドの応援でも高校野球の魅力を改めて感じさせてもらえた。心から感謝したい。有難う、秋商。また甲子園に来てほしい。また応援に行くからね。
追記:バスで帰郷した応援生徒諸君は、試合終了時間が大幅に遅れたので、ちゃんと夕食をとれただろうか。同業者としては非常に心配している。

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