2012年8月21日火曜日

イスラエル考現学 USA

【イスラエル-(超)多文化共生(強制)の地を覗く-その27
カリフォルニアのようだが、テルアビブの海岸である。
さて、今日はイスラエルをささえるUSAについても考察しておきたい。WEBで調べてみると、イスラエルのGDPは静岡県とほぼ同じだと言う。周囲を敵に囲まれたイスラエルが、あれだけの軍事力を維持していること、これはUSA抜きには考えられないからだ。何故USAはイスラエルに軍事援助を始めとした支援を惜しまないのか。最も大きな事情はユダヤ人人口の多さである。と、いってもUSAの2%にすぎない。問題は彼らの持つ「力」である。経済力は当然のこと、マスコミ界にも大きな力をもつ。ユダヤ票は単にその票数だけではない。ユダヤロビーは、あらゆるUSAの政治家(民主・共和党を問わない。)への献金で政策決定への実力を誇示していることは有名だ。

グレイトシナゴーグ内部
紀行文でも書いたが、エレサレム最大のグレート・シナゴーグはアメリカ居住のユダヤ人によって、ほぼ寄進されたもののようだ。またイスラエルのIT産業をささえる企業は、アメリカのユダヤ人の企業が多い。インテルやデルなどのCEOはアメリカのユダヤ人である。雇用というカタチでイスラエルを支えているわけだ。

一方、USAは母国イギリスよりはるかに信仰深い国だ。キリスト教徒の中には、ユダヤ教徒を改宗させ、イエスを救世主として認めさせることが、神の意志だと信じる人々がいる。例のキリスト教原理主義のグループである。ネオ=コンとも呼ばれている。そういう前提で、イスラエルを守ることは正義だと信じる人々もいる。

ユダヤ人だけでなく様々な立場のUSAのがイスラエルの存続を願っているわけだ。アメリカ人は、たぶんに独善的な場合も多いが、基本的にお人好しで、しかもおせっかいな所があると私は思っている。(笑)これは良い、悪いを超えたUSA気質であるとも思っている。ガリラヤ湖の北にある超正統派の街・ツファットでは、おだやかな超正統派の人々に出会った。(8月14日付ブログ/ガリラヤ湖畔を旅するⅠ参照)この時、研究者である息子は、「この街の超正統派はアメリカからの移民ではないか。」という感想をふともらした。芸術家も多く、アート街にいた人々もフランクで、およそエレサレムの超正統派とは似て非なる存在であった。たしかに、アメリカ人っぽいと私も思った。

WEBで発見したTシャツ
もちろん世俗派のユダヤ人は、生活習慣的にはアメリカナイズしているように思う。しかし、アメリカへの感情は微妙なようだ。(8月14日付ブログ/イスラエル考現学 שבת参照)
面白かったのは、土産物屋にこんなTシャツが売っていたことだ。「AMERICA Don't worry. ISRAEL is behind you.」
これにジェット戦闘機(F16)が描かれている。「心配ご無用!アメリカ軍。イスラエルがついている。」とでも訳せばいいのだろうか。私は、このTシャツに、イスラエルがUSAに頼り切っているのではない、自立しているのだという微妙な感情を読み取るのだが…。

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