2021年6月26日土曜日

赤紙とオリンピック考

ついに、我が家にも「赤紙」が届いた。赤紙とは、戦時中の召集令状のことで、極めて無粋な表現であるが、「伊方町からの無料ワクチン接種券&そのお知らせ」のことである。妻に言わせれば「赤紙が来たで。」となる。憲法上の強制力はないだろうが、コロナ禍下の翼賛会的な社会状況下では、「赤紙」と表現するのも私はありだと思う。既往症のある私は疑義の塊のようなワクチンを打つ気はさらさらない。

私と同様な意見を持つ人々も多そうだ。一方、オリンピック否定派は、このワクチン否定派だけでなくワクチン肯定派も含め増加しているようだ。NGOにすぎないIOCが、商業主義化を推し進め、今やだれのためのオリンピックなのかという疑義が世界中に渦巻いている。結局のところIOCの金もうけのためにあるという事実が暴かれてしまい、華やかな祭典にかくされた闇が衆知のこととなったようで、開催地への立候補都市も激減しているらしい。

宮内庁長官が、陛下がコロナ禍のことを大変ご心配になっており、オリンピック開催を懸念されているとの発言をした。宮内庁は、元総理府の外局、現在は内閣府に置かれる独自の位置づけの機関である。今回の発言をした西村氏は、元警視総監で宮内庁次官を経て長官になっている。旧内務省系(アメとムチで国内を統治していた行政/自治省・厚生省・労働省・建設省などと警察庁)の事務次官等経験者が、次官を経て長官になるらしい。この発言をどう捉えるかは賛否両論であろうが、基本的に憲法に照らしてみれば、天皇の政治的発言はありえないので、長官の私見であろうと政府が切り捨てたことは、通常の判断、定石だと思う。

ただ、陛下が懸念されておられることは全くその通りだと思う。天皇という存在は、そういう存在であられるからだ。明仁上皇陛下もしかり、現徳仁陛下もしかりである。今回の宮内庁長官の発言を私はいいとは思わないけれど、陛下の懸念は、そういう国民の反オリンピックという社会の下地があってこそであると思う。

このまま、どれだけ反対があろうとオリンピックは開催されるだろうと思う。様々な問題や危機が起こる可能性があるが、日本は全て水に流すというジャパニーズ・スタンダードがIOCや関連の利益集団に十分認識されているような気がする。

ただ、私はワクチンに関しては流されないでおこうと思う。

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