2021年6月4日金曜日

アフリカの環境悪化

ブルキナファソ・サヘルへの道 ラクダが放牧されていた
「アフリカ 人類の未来を握る大陸」には、いくつか環境問題に関する話が出てくる。ブルキナファソのサヘル地域の話が、私は一番痛々しく読ませてもらった。私が、ワガドゥグーかた1泊2日のサヘル行に行った時は、雨季だったこともあって、サヘル地帯に入る前には、一応緑がある地帯もあった。土壌が良くないので、ミレットくらいしか作れないらしい。鍬も日本のように深く耕すのではなく、表土をガリガリとこするような鍬であった。

この地域、今はかなり砂漠化が進行している。その構造は、異常気象で激しい集中豪雨が降り、洪水が起こり表土を流し、その後乾燥して水分が保てなくなり、次の洪水でまた削られるという繰り返しだそうだ。毎年、ブルキナファソの国土の2%の耕地が消えているらしい。これには大きな衝撃を受けた。私が泊まったサヘルの村は、今はどうなっているのだろう。牧畜が主であったが、それすらままならないのではないか。胸が締め付けられる。

さらに、アフリカの優等生であるモーリシャスも大被害を受けている。モーリシャスはサトウキビのモノカルチャー経済から脱皮し、縫製工業で1人当たりのGDPを増やし、同時に観光産業を育成してきた。その観光産業が環境問題で大打撃を受けている。それは、海面上昇で砂浜が半分くらいになってきているのである。砂を入れたり、防波堤を設置したりして防御に務めているが、かなり厳しいらしい。サトウキビの搾りかすを発電に利用したりして、環境問題への配慮をしているが、中国や先進国の環境破壊から見れば、まさに焼け石に水。それも理解しながらもやらずにおれないという。

まさに構造的暴力である。

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