2012年10月29日月曜日

コンゴ共和国のブッシュミート

ヌアバレ・ヌドキ国立公園
今朝の朝日新聞朝刊に、コンゴ共和国(元フランス領)北部の世界自然遺産ヌアバレ・ヌドキ国立公園の近隣地区で、ブッシュミートと呼ばれる野生動物の肉が食されているというニュースが載っていた。もちろん違法である。しかし、内戦終了後人口が100万人も急増し、貴重なタンパク源として密猟が相次ぐらしい。このままでは絶滅危惧種はもちろん森の生態系すら変えかねないという警告のルポであった。

かなりショッキングな書き方をしていたのは、その市場での風景である。野生動物の肉を販売するのは違法であるという看板の横で、オバサンたちがワニ、カメ、ウシ、猿などをさばいているという風景だ。値段はぶつ切りで150円ほど。牛肉はこのあたりでは手に入らないと書かれてあった。アフリカの熱帯雨林はツェツェ蠅の住処で、牛は放牧すると眠り病にかかって死んでしまう。鶏肉は価格が高いらしい。ブッシュミートは、地元民が手を出すことが可能な唯一のタンパク源だというわけだ。

この事実は人間の『業』のような話である。牧畜が気候的にも地形的にも十分可能で、シモフリなどという牛肉を食する我々が、簡単に論評できる話ではないと私は考えてしまう。世界遺産という認定は重要なことだし、その自然は守られるべきだと思うが、そこに住んでいる彼らにとっては今のところ何のメリットもないわけだ。彼らに肉を食する権利はないのか。世界遺産だから駄目だというのか。という彼らの声が聞こえてきそうだ。

頭から、彼らの違法性だけを強調するのは私は違うと思うのだ。

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