2012年10月26日金曜日

アフリカの熱帯高地DE小麦栽培

ケニアのハイランド
「アフリカの熱帯高地は小麦生産に適している。さらに生産量を増やせば穀物輸入依存度が高いアフリカには有為ではないか。」メキシコに拠点を置く国際小麦トウモロコシ改良センター(CIMMYT)が、こういう研究成果を発表した。

CIMMYTは、農地が生態学的に小麦栽培に適しているかどうかをコンピュータでシミュレーションした結果、最も高い収穫高を示したのが東部および中央アフリカの高地生産だったというのだ。ルワンダ、ブルンジ、ウガンダ、エチオピア、ケニア、それにマダガスカルが該当するらしい。熱帯高地では、日当たりが良い一方で夜冷えるのがいいそうだ。これらは、灌漑設備がなくとも条件がよいそうで、各国に少なくとも50万haほどの小麦に適した農地があるという。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/121026/mcb1210260505025-n1.htm

アフリカの穀物生産の中では、小麦は決して多くはない。『図解アフリカ経済』(平野克己・日本評論社)によると、小麦生産が盛んなのは、南ア、ケニアくらいである。私自身、ケニア山の麓のハイランドと呼ばれる地でイギリス人が経営する広大な小麦プランテーションを視察したことがある。だから、アフリカの小麦生産というと、ついそういう感覚で見てしまう。

CIMMYTの立場は、そういうなプランテーションを想定していないように見えるのが嬉しい。生産活動における最大のネックを「肥料」の確保においていることが、それを証明している。これらの国では、肥料はまだまだ「ぜいたく品」であると指摘している。すなわち現地の農民の生産を前提にしているからだ。国際資本のプランテーションなら、そういう問題をなんらかの方法でクリアするはず。

ブルキナファソの農村
ブルキナで、まだIさんが孤児院をつくろうとしていた頃、近くの農地で様々な作物の栽培実験をしておられた。ゆくゆくは孤児たちの食料や養育費の為に、土地を提供してくれていた現地の人に栽培実験を依頼されていたのだった。
その時、Iさんは近くの店で肥料を購入された。その時の価格など今さらながら聞いておけばよかったと思っている。そのあたりはブルキナの中緯度なので、おそらくブルキナでも中程度の土地だったと思う。(ブルキナでは降水量の関係で、南部の生産性が高く、北部になるほど生産性が低くなる。)Iさんが日本人で金持ちだから肥料を購入したわけではいと私は推測している。なぜなら肥料は商品として普通に並べられていたからだ。

ブルキナは、アフリカでも最貧国の1つに数えられるのだが、食料生産に関してはアフリカではマシな国である。様々な穀物を食べる。米も食べるし、キャッサバなどイモ類も食べるし、雑穀も食べる。もちろんフランスの植民地だった関係で、フランスパンもおいしい。だから、肥料もある程度流通しているのではないかと思うのだ。アフリカもいろいろだが、内陸国のブルキナで、そうであるならよっぽど罠にハマっている国でなければ、およそ他の国も同様ではないか。もちろん、CIMMYTが言うように十分ではないだろう。アフリカが少しでも豊かになるのなら、地域社会と環境を破壊しない程度で小麦生産が進展することは、大いに歓迎すべきことだと思うのである。やはり、アフリカの開発は農業からだ。

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