2012年10月25日木曜日

アフリカの「サバクバッタ」危機

サバクバッタの発生分布 
久々にアフリカの話題である。といってもいい話ではない。またまた大量のバッタが発生しそうだというのだ。このバッタ、「サバクバッタ」という奴らしい。FAO(国連食糧農業機関)によると、このままだと、数週間以内にアフリカ北西部に大打撃を与えるという。そこで、FAOは、チャドで殺虫剤散布を行うと共に、ニジェールでも軍隊の護衛付きで同様の散布を行っているという。また、アルジェリア・モロッコ・セネガルなどの殺虫剤の備えをもつ国に働きかけ、WFP(世界食糧計画)とも連携しながらチャドやニジェール、マリなどに贈与し、国際連携で被害を防ごうとしているようだ。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2908938/9728996?ctm_campaign=txt_topics

なかなかいい取り組みだと私は思う。FAO・WFOには是非とも頑張ってもらいたい。ところで、このサバクバッタという奴、とんでもない奴である。モーリタニアからインド北部まで分布していて、60カ国に被害を与えているらしい。必ずしもいつも集団発生するわけではないようだが、雨季の雨が多いと、集団発生し、世代交代(1年で2~5世代)しながら集団を拡大していくらしい。自分の体重と同じくらいの緑の植物を食べる。緑色の植物ならなんでもありで、さらに排せつ物で植物を腐らせるらしい。風に乗って移動するので、1日100~200kmも移動するという。
http://wkp.fresheye.com/wikipedia/%E3%82%B5%E3%83%90%E3%82%AF%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%BF

まったくとんでもない奴なのだ。幼虫のうちに対策をとればいいとか、フェロモンを利用して集団をつくらせないとか、様々な取り組みもあるようだが、そういう対策を取るべき国が概してガバナンスや治安が悪い。エリトリア、スーダン、ニジェール、チャド…うーんと唸ってしまう。人間の安全保障から対処しなければならない最底辺国が多い。そうれどころではないと言う感じだ。そこからさらに不幸が拡がっていく図式になっている。こういう不幸のパラダイムを先進国がまずなんとかしていかないと、と私は思う。豊かな人間は自分の利益にならないことには、できるだけ目をつぶるらしい。

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