2020年3月24日火曜日

第二の周恩来はいないのか。

周恩来
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中国が大きく揺れている。昔、一時期中国の近現代史を真剣に学んだことがあった。実に興味深かった。毛沢東と言う人物は1949年の中華人民共和国建国までは優れた革命家であると思うが、以後は「毛災害」と呼んでもいいほどとんでもない人物である。彭徳懐や劉少奇との権力闘争は実に激烈で容赦ない。

易姓革命は中国の歴史のDNAである。「徳を失う」と権力の座からたちまち滑り落ちるのが中国である。中国共産党は、「徳を失った」蒋介石の国民党との内戦に勝利したわけだが、スターリンの朝鮮戦争という罠に嵌り、長年経済発展できなかった。これらの激動の歴史で、ひたすら実務に徹し、権力闘争の外に会って、中国のかじ取りをしてきたのだが周恩来である。近現代の中国政治の中で、これほど「徳を持った」人物を私は知らない。常に大局を見ながら、自己を押し殺し、人民のために奉仕することに徹した政治家である。周恩来の死去後、毛沢東も死に、鄧小平が四人組との権力闘争に勝利し、中国は大変革を遂げることになった。

鄧小平以後の中国は、豊かになるために、中国共産党の独裁体制下での資本主義化という壮大な実験に入る。莫大な人口圧の中で鍛えられた勝ち組は、とんでもない資本家に成長した。人民解放軍もまた私企業化した。人民解放軍は国家の軍隊ではない。中国共産党の軍隊であり、自らの軍備や兵の給与は自ら稼ぐ。ほぼ軍閥に近い。中国共産党もまた建国当時の理想は失われ、共産党員は単なるノーメンクラツーラになっているようだ。初めて中国を旅した時、「様々な矛盾があることは唯物史観的に見て当然である。」と、現地コーディネーターが言っていた。中国は、二の文明の地である。天と地、陽と陰、儒家と老荘。あらゆる矛盾が並立していることが前提となっている。社会主義の共産党=プロレタリア独裁とえげつない拝金主義の資本主義もまた並立している。ただ、その矛盾が沸点に近づいているようだ。
アメリカの資本主義も凄い格差社会を生んだが、アメリカの勝ち組は負け組に対し則を超えない程度のプロテスタント的な倫理を持っている。負け組を追い込むと自分に跳ね返ってくることを自覚しているのだ。しかし、二の文明の中国にはそういう倫理はない。
中国経済の様々な危機が伝えられている。曲がりなりにも徐々に豊かになっていたがゆえに、また中国共産党の押さえつけが成立していたがゆえに、負け組もおとなしくしていたが、経済が破綻したら爆発するだろう。中国共産党が「徳」を失う時はその時だ。いくら情報操作したり、隠匿したとしても抑えきれないのではないか。

今回の新型コロナウィルスのパンデミクスの責任は、誰が見ても情報を隠匿し、春節前に手を打たなかった中国共産党=習近平にあると思われる。日本のマスコミは黙っているが、いよいよアメリカが動き出した。中国政府が自分たち(=習近平)の責任ではないと言い出したからだ。アメリカははっきりと「武漢肺炎」という表現をマスコミが使い、訴訟問題が起こっている。中国国内でも、習近平によって追い詰められていた江沢民派が反逆的な行動をとり始めているようだ。最近の異常気象も追い打ちをかけている。これはまさに易姓革命の故事に則った視点では、「徳」が失われた証拠になる。

今回の新型コロナウィルスのパンデミクスは、一帯一路政策に破壊的な打撃を与えた。アメリカの覇権に挑戦しようとした中国=習近平は、大きな打撃を受けるだろう。人民解放軍にも江沢民派が極めて強い北部管区がある。ここは、北朝鮮との関りが強い。
北朝鮮と韓国も、危機的状況にある。米軍も米資本も半島から撤退しようとしている。その後どうなのるか、北部管区の人民解放軍もどう動くのか、全く予想がつかない。

…今回のパンデミクスで世界的な不況が訪れることは明らかだ。大統領選で勝利をつかむために例の大統領閣下は、どういう手段をとるのか。あまり想像したくはない。

…大局を読み、私心を捨て中国人民のために奉仕する周恩来のような人物は、今の中国共産党にはいないのか。

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