2010年11月15日月曜日

スーパーコンピュータとTPP

今日、またまたこの3カ月、中国にGDPで日本が抜かれたとのニュースが流れた。私はさして驚きはしなかったのだが、このニュースには驚いた。スーパーコンピュータの性能で、中国が初めて世界No1になったという話だ。以下読売新聞の記事を挙げる。
【ワシントン=山田哲朗】スーパーコンピューターの性能ランキングを半年ごとにまとめている国際プロジェクト「TOP500」は14日、最新のリストを発表した。中国の国防科学技術大が開発した天津スパコンセンターの「天河1A」が1位を獲得し、中国のスパコンが初めて首位となった。
「天河」の計算能力は1秒当たり2566兆回。前回6月にトップだった米オークリッジ国立研究所の「ジャガー」は2位に下がった。3位にも中国の深センスパコンセンターの「星雲」が入るなど、中国は500位までに計41台が入り、米国(275台)に次ぐ第2のスパコン大国となった。一方、日本は東京工業大の「TSUBAME2・0」が4位に食い込むなど計26台が入り、国別ではフランス、ドイツと並んで3位だった。日本勢は2002年にNEC製「地球シミュレータ」で首位を奪ったが、04年以降は米国が盛り返し首位を守ってきた。(2010年11月15日 読売新聞)

もちろん、この世界は超・日進月歩らしく、日本も頑張っているので、また優位に立つと信じるが、この分野にまで中国が…と絶句するのである。先日NHKの番組で、中国に日本の企業をリストラされた技術者がどんどん流出しているという。彼らの頭脳を生かしさらに成長を続けている中国の姿にしたたかさと富の蓄積への執念を感じた。まさに龍である。

さて、今日アフリカの農業について、開発経済学的視点から説いていて(常設ページの”高校生のためのアフリカ開発経済学テキスト”を参照されたい。)、ちょっと生徒にTPPについてどう考えるか聞いてみた。農業の重要性を訴えた後だったので、是より否が多かった。うーん。難しいところである。この日本にとって第三の開国といわれるTPP、社会科教師としては、生徒に様々な正しい資料を提示して真剣に考えさせたい。彼らの世代こそ、今回のTPPへの対応によっては、影響をもろに受けていくからだ。日本は、これからどうなっていくのか。ちょっと読めない。グローバリゼーションの大潮流の中で、日本はどういう選択をするべきか。開発経済学の範囲が終わったら、TPPについて、模擬APECとかを開いて討議させてみようか、などと考えていたのであった。

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