2010年11月14日日曜日

リンカーンの親書と招き猫

 朝刊を読んでいたら、このAPECの日米首脳会談の際、オバマ大統領にリンカーン大統領から徳川家茂宛の親書のレプリカが贈られたとか。オバマ大統領は、リンカーン大統領を最も尊敬しており、大変喜んだとあった。ちょうど、同じような外交でのプレゼントの話を読んだ。今月新刊の新潮文庫の佐藤優『インテリジェンス人間論』である。それは、小渕政権の頃である。エリツィン側近で鼻っ柱が強いと評判だったネムツォフと対談することになった小渕氏が、佐藤優にアッと驚くような土産モノを考えるよう指示するのだ。佐藤優は、「招き猫」を提案する。ネムツォフが大の猫好きであることをちゃんと調べ上げていたのである。ワビサビがわかる人間ではないので、金箔ピカピカの招き猫がいいと言ったという。この土産で、日本政府が自分のことをちゃんと調査済みであることを知ったネムツォフは、小渕氏に敬意をはらったという。外交と言うのは、こういう神経戦でもあるのだ。
 外務省は、オバマ大統領がリンカーン大統領を尊敬していること(選挙区も同じイリノイ州である。イリノイ州には車のプレートにリンカーン・ランドの名がある。)を当然知って、そのようなプレゼントを考えたのだろう。これは、なかなかヒットしたように見える。ところで、徳川家茂は、第二次長州征伐の時、大阪で若くして客死した悲劇の将軍である。もしかしたら、外務官僚は菅政権の外交ベタに嫌味をきかせ、短命を望んでいるのかもしれない。これって深読みすぎるかなあ。

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