2023年3月11日土曜日

ミュシャ展・知の大冒険展

先週に続いて、金曜日は展覧会。京都に行ってきた。まずは、京都駅にある”美術館「えき」KYOTO”で開催されているミュシャ展へ。以前少し紹介したが、アール・ヌーボーの代表的な作家である。フランスで活躍しているが、チェコ出身で、チェコに関連した作品も多かった。ありがたいことに、今回の展示は。ポスターやリトグラフなどが多いゆえか写真撮影可であった。とにもかくにも、どの作品も美しい。

せっかくなので、少し調べてみたが、WWⅡの時代、ナチスの過酷な取り調べを受け、老齢ゆえにそれがもとで死去している。ちなみに、彼はフリーメイソンのメンバーで、パリで入会後、プラハの支部創設にも尽力したことがわかる彼によるデザインのメダルの展示もあったのには驚いた。

その後、東広場でLEGOでつくられた京都駅を見に、反対の東の広場へ。八条口から入ることが多いので、これまであまり興味はなかったのだが、京都駅はかなり複雑な建築物であることが垣間見えた。その後、京都駅から地下鉄で”京都文化博物館”へ。何回も来ているが、ずいぶん久しぶりである。ここでは、「知の大冒険ー東洋文庫 名品の煌めき」という学術的な特別展が行われていた。あと少しで京都に文化庁が移転してくるので、館内にはそういうWELCOMEの装飾がなされていた。

この「知の大冒険」むちゃくちゃ良かったのだ。やはり本物を見るという経験は貴重である。今回見させてもらった本物の主たるものを挙げると次のようになる。ハンムラビ法典、ヒエログラフ辞典、チベット大蔵経、三国志演義、史記、殿試策、リグ・ヴェーダ、ラーマーヤナ、ハディース、東方見聞録、ロビンソークルーソー漂流記、魏志倭人伝(二十一史 三国志 魏史 烏丸鮮卑東夷伝)、論語集解、万葉集、天正遣欧使節記、重訂解体新書…。
http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/mablog/%E7%AD%94%E6%A1%88%E2%91%A2.jpg
なかでも私が最も興味を惹かれたのが、殿試策。清代の1772年に行われた科挙の最後の試験(殿試)の答案。皇帝に自分の論策を上奏するカタチで、早朝から日没までに仕上げるという恐ろしい試験である。内容もだが、字も楷書で非の打ちどころがない美しさである。画像は撮影不可だったので、東洋文庫HPからの借用。(拡大可能)この殿試策を始め、中国の文献(魏志倭人伝なども)は当然漢文なので、何となく意味がわかるので、余計に楽しめる。実に意義深い展覧会だったのだ。教え子諸君に、入場料はちょっと高い(一般1400円/大高生900円)けれども是非見ておいてほしい展示である。4月9日までやっている。

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